“Off the Wall(=型破り)”をキャッチフレーズに、1966年の創業以来、新たなスタンダードを確立してきたVANS。次なる進化として発表した「VANS Eco Theory Collection」は、サステナビリティをテーマに定番モデルの再構築にチャレンジしたプロジェクトだ。持続可能な社会を目指すためのさまざまなアクションが起きているなか、VANSと深く結びつくサーフカルチャーにとっても海洋資源の保全などは重要なトピック。今回は、“型破り”なプロサーファー、石川拳大の活動にフォーカスを当て、VANS、サーフィン、サステナビリティについて考えていこう。

サステナビリティを意識した定番モデルの新しいカタチ

左からSTYLE 36 DECON SF (ECO THEORY) NATURAL/DOUBLE LIGHT GUM/¥8,250
AUTHENTIC SF (ECO THEORY) NATURAL/DOUBLE LIGHT GUM/¥7,150
STYLE 36 DECON SF (ECO THEORY) BLACK CHECKERBOARD/MARSHMALLOW/¥8,250
AUTHENTIC SF (ECO THEORY) BLACK CHECKERBOARD/MARSHMALLOW/¥7,150
SLIP-ON SF(ECO THEORY) BLACK CHECKERBOARD/MARSHMALLOW/¥7,150

VANS Eco Theory Collectionのキーワードは「サステナビリティ」。Vansファンが愛するクラシックなルックスを保ちながら、自然や社会の生態系への悪影響を最小限に抑えポジティブな効果をもたらすことを願い、愛され続ける定番シューズをイチからつくり直した。オーガニックコットン、環境に配慮された天然ゴム、ジュートレース、コルクライニングのフットベッド、水性インクと接着剤を使用して、アイコニックなサーフクラシックの3モデルとして、「AUTHENTIC」、「SLIP ON」、「Style 36 Decon SF」を再構築している。

アッパーからシューレース、フットベッド、さらにはアウトソールまで、すべて天然素材を使用するなど、細部まで環境への意識が張り巡らされたサステナブルなコレクションだ。50年以上の歴史を誇るVANSを進化させる定番モデルたちと同じように、サーフィン界にも新しいサーファー像をつくり出そうとしているOff the Wallなプロサーファーがいる。湘南を拠点に活動する27歳、石川拳大だ。

湘南を拠点に世界で活躍するプロサーファー石川拳大

サーフィンの価値観を変えた、木のサーフボードとの出会い

石川がサーフィンを始めたのは4歳の頃。サーファーだった両親の影響を受けて、幼少期から海に通っては波と遊ぶ日々が当たり前のようにあった。初めて波に乗ったときのことは今でも鮮明に覚えているという。

事務所のテラスでワックスを塗り、ウェットスーツに着替えてそのまま海に行くこともしばしば

高校時代はオーストラリア、ゴールドコーストに留学。そのときの経験が自身を形成する上でとても大きかったと振り返る。一枚板の木で出来たアライアというサーフボードの原点と出会い、波に乗ることの価値や本質を見つめ直すきっかけとなった。

事務所に飾られているアライア

「小学3年生から大会に出てきましたが、今でも思うのはサーファーの評価は派手な技なのかなって。アライアは難しいサーフボードで、乗れるようになる中で海と向き合っていた時間がすごく楽しかったんですね。それこそ自然と溶け込んでいたような。それ以来、楽しむということがサーフィンの価値であり本質だと思うようになりました」

帰国後は大学へ進学し、日本代表として世界大会を舞台に戦い、強化指定選手に選ばれた。サーファーとして頭角を現すなかでも自身の核にあったのは、シンプルにサーフィンを楽しむこと。両親から受けた文武両道の教えを守り、大会の賞金だけで暮らしているプロサーファーが世界的にもひと握りだという現実を受け止め、働きながらサーフィンと関わり続けることを決め、大学卒業後は企業アスリートとして会社に勤務している。現在、日本における実業団選手としてのサーファーは後にも先にも石川以外に存在しない。その後進を育てることも自身の役割だと捉えている。

VANSのようにシンプルであり続けたい

企業アスリートである一方、石川にはもうひとつの顔がある。国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパンの事務局⻑としての活動だ。ビーチクリーン活動の主催やサポートをはじめ、海のプラスチックゴミを利用した「プラごみアート」をつくるワークショップやその展覧会の開催など、子どもから大人まで気軽に参加できる活動を展開している。サーフィンと隣り合わせにある海から持続可能な世界をつくろうとするサステナビリティな取り組み、そしてサーファーの枠にとどまらない型破りな活動はVANS Eco Theory Collectionにも通ずるものがある。

ビーチクリーン活動の様子

左/ワークショップで使用する海のプラスチックゴミ
右/実際に制作された「プラごみアート」

「VANSはオーストラリアに留学していた頃から愛用していて、ブラックレザーのAUTHENTICは当時から履き続けています。僕はシンプルなものが好きなんですけど、VANSのようにシンプルであり続けることに憧れます。でも、それって簡単なことじゃないと思うんです」

今回のコレクションの中で石川が手にとったモデルは、ブラウンのガムソールが印象的なAUTHENTIC SF。冒頭でも紹介したとおり、シューレースには天然のジュート繊維、UltraCushのフットベッドには天然コルクのトップシートが使用されている。さらに、最もアイコニックなアウトソールは、石油由来のゴムではなく、天然ゴムを使用したまったく新しいECOラバーコンパウンド。この新しい天然ゴムコンパウンドは、VANSの特徴であるグリップ力と耐久性はそのままに開発されている。

ナチュラルな風合いのシューレースには天然のジュート繊維が使用されている

快適な履き心地を実現するUltraCushが搭載されたフットベッドには天然コルクのトップシートが使用されている

「今回のVANSのような動きはすごく大事だと思います。やっぱり企業や行政が変わらないと、社会は変わらないというか。サーフライダー・ファウンデーション・ジャパンはその架け橋になりたいですね」

もっとサーフィンを楽しみたい。そのために映画を撮る

現在、石川はドキュメンタリー映画『OCEANTREE 〜The Jorney of Essence〜』を制作している。大学の卒業制作として発表した第1弾に続く第2弾、その題材はアライアを軸にしたサステナブルな生活だ。

事務所からほど近い辻堂海浜浴場にて。幼少期から慣れ親しんできた海だ

「平安京を築くために繁栄した京都の山で採れた杉の木を使って、地元の堤淺吉漆店の4代目、堤卓也さんと一緒に漆のアライアをつくっているんです。そのプロセスとサーフィンの様子を撮りながら、日本人が大切にしてきた地産地消の文化とサステナブルな暮らしを世界に向けて発信できればと思っています」

映画を撮りたいと思い立ったのは、サーフィンをもっと深く理解したいという想いがきっかけ。もっとサーフィンを楽しめるように。その原点に立ち返ろうとする姿勢はVANS Eco Theory Collectionにも共通するものだ。サーファーの型を破り続ける石川の活動、VANSはその足元を支え続ける。

Profile

石川 拳大(いしかわ・けんた)

1994年生まれ、湘南育ち在住のサーフィン選手。日本情報通信株式会社 (NI+C) のアスリート社員として、国内外の大会に参戦中。また、社会貢献活動として国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパンの事務局長として、海の保全活動も活発に行う。その他にも映像制作や様々なプロジェクトに参加。

Instagram @kenta_ishikawa

記事内のアイテムをチェック
記事内のアイテムをチェック

Related Item 関連商品

Related Story

Shoes × Culture

同じカテゴリー一覧を見る