2020年4月に事務所から独立し、ラッパーとして、またオピニオンリーダーとしても己の道を拓き邁進するあっこゴリラ。彼女が独立からの1年半とコロナ禍で経験した自分自身との対話とは? 「AIR MAX」史における転換点となる新モデル「NIKE AIRMAX2021」とともに、あっこゴリラの新境地を切り取った。

コロナ禍を通して見つめた“二つの自分”

初めてエアを搭載した1987年の「AIR TAILWIND」、エアを露出させ視覚的にデザインした「ビジブルエア」の歴史の第一歩となった「AIR MAX 1」、ストリートシーンに旋風を巻き起こした「AIR MAX 95」、そこから耐久性の向上や軽量化に注力し機能性とミニマムな美しさを追求し、洗練されたランニングスタイルの立役者となった2000年代以降のAIR MAXの名作たち。

自らつくったスタンダードを自ら壊し、未踏の新時代を切り開いてきたAIR MAX。今回発売されたNIKE AIRMAX2021は、AIR MAXの歴史が新たなフェーズに突入したことを感じさせる一足だ。

ラッパーあっこゴリラのアーティストとしてのスタンス、そして踏み出す一歩の勇敢さは、この意欲的なスニーカーに宿ったスピリットに共鳴する。

「ワガママで社会不適合な私と、ワガママではいられない社会人の私、その両方を自分のなかに飼うようになった」。2020年4月に事務所から完全独立し、人との関わり合いに対して自覚的になったというあっこゴリラ。フリーランスも板についてきた今、以前の自分をこう振り返る。

「事務所に所属していたときは、言ってしまえばワガママを言うのが仕事だったんです。私がアーティストとして自分のスタイルに誠実であることが、まわりにとっても大切で。以前は気の合う人としか一緒にいなかったから、エッジーな思考回路になっていたし、視野が狭く、想像力も乏しかったと思う部分もありますね」

最新テクノロジーとAIR MAXの歴史が融合する現代的な一足。前例の無い軽さと柔らかさを実現したフォームミッドソールなど、実際に履いてみるとその快適さに驚く
NIKE AIRMAX2021/¥19,250

コロナ禍でのライフスタイルの変化によって、自分自身と向き合わざるを得ない期間を過ごした人も少なくないだろう。あっこゴリラもそのひとりだ。パンデミックはもちろん、独立前から始めたラジオパーソナリティの仕事を通して、人々の内側にはいろいろな意見があり、わかり合えないことも多分にあると痛感していったという。

「ある部分では誰かの力になれているかもしれないけど、ある部分ではすごく人を傷つけていると自覚しました。フリーになってからは、本当にいろんな人に助けられているということがよりわかりましたし、社会人として前よりはしっかりしたと思います。いわゆる“大人になった”ということかもしれないけど、臆病になったとも言えるかも」

社会人としての大人の自分と、アーティストとしてワガママを言うべき自分。それまでにはなかった臆病さに直面したことで生まれたふたつの自分のバランスを取ることを、「鬼むずいです」と笑う。

「しっかりしようとすればするほど、“ワガママなあっこちゃん”が消えていくので悩みました。圧倒的な自分のまんまで生きながら、様々な部分に想像力をもって配慮することの両立を、日々トライしてます」

常に実験して、対話の可能性を探っている

2020年末、NIKEが公開したフィルムが大きな話題を呼んだことは、記憶に新しい。あっこゴリラもまた、フェミニズムや人権問題について積極的に意見を発信している。身近な人とのコミュニケーションにおいてだけでなく、マスに発信していくことに対しての葛藤も増えたというが、それでも「音楽に限らずさまざまなスタイルで物事をひっくり返したり、新たな視点を見出したい」という思いは通底して変わらない。

「常に実験している感覚なんです。社会的なことに対しても、綺麗事をバシッと言ったところで『じゃあ自分はできてるの?』っていうこともいっぱいあるけど、『じゃあ、できてなかったら何も言えないの?』って思うこともある。だから、発信と対話を繰り返し、思考を深めることができる装置をいっぱいつくっていきたいです」

豊富なカラーバリエーションがあるので、スポーティーだけでなくさまざまなスタイリングに合わせることが可能
NIKE AIRMAX2021/¥19,250

分断社会と言われるなかであっこゴリラが挑戦する実験。人と人はわかり合えないという前提のなかで、どれだけ対話が成立するかということはもちろん、誰かに伝えなくとも、思いや感情を言語化することは彼女にとって重要な行為なのだという。

「ラップするときはひたすら自分対自分の対話です。そういう意味でいうと、自分を使って人体実験しているみたいな感覚ですね(笑)。なぜかわからないけど、昔は自分が嫌いって思ってたんですよ。でも、その苦しみも言語化していくことで解体して深掘りできる。当時の私にはそれができる機会や場所がなかったから、今、昔の自分と同じような気持ちの子たちのシェルターみたいな場所があったらいいなと思っています」

自分を解放できる“祭り”を持っていたい

音楽、そしてファッションも、それを通じて「自分を見つけていく作業に似てると思う」と彼女は続ける。

「私にとって言葉が追いつかないところにファッションがあって。着たいもの、自分が選ぶものによって自分のモードを知る、みたいな。ある程度着るものが固まってくると、だんだん飽きてきて、それを壊したい気持ちが生まれてくる」

今回のNIKE AIRMAX2021を着用したビジュアルは、まさにその「壊したい」という思いを体現するものになった。NIKEのシューズは「AIR FORCE 1」を中心に「AIR MAX」「AIR JORDAN 1」を愛用する彼女。「背伸びせずに履けて、ずっと使えるカタいブランド。おばあちゃんになっても履きたいです」とブランドへのリスペクトを語りながら、新たな自分の表情に新鮮な気づきや喜びを得た撮影を振り返る。

「ソロ活動を始めて今年で6年目。いろんなビジュアルをやってきたし、“いつもと違う自分”にチャレンジすることは多いんですけど、今回はいつもと全然違う顔なのに、嘘もついていない感じに仕上がってる。性別がわからない感じとか、どこかぶっ壊れてる感じが最高。服を身にまとった瞬間、音楽が聴こえました。まだまだ冒険できるなって思いましたね。AIR MAXは何足か持っているんですが、このNIKE AIRMAX2021は未来を感じるデザインが好き。そしてめちゃくちゃ動きやすい」

新機軸のエアバッグと全体のフォルムは、トレンドのフォローではなくまったく新しい「AIR MAX」像を提示する
NIKE AIRMAX2021/¥19,250

独立やパンデミックによって芽生えた新たな思いを自身のアップデートの糧にしながら、また新しい自分に出会ったあっこゴリラ。音楽フェスやライブイベントが縮小し、アーティストとして表現の場が激減したことに対して息苦しさを感じながらも、「人間が生きるためにはやっぱり“祭り”が必要だと思う」と繰り返す。

「鬱屈した時代でも“祭り”ができる自分を存在させておきたいんです。やっぱり音楽でいろいろなものを解放したいし、解放されたいんですよね。本当の多様性が実現されている場所はミラーボールの下だってずっと思っています。ワガママに生きさせてもらってる実感があるので、ちょっとでも音楽業界や誰かのためになることがあれば、って思いますね。それは結局自分のためにもなると思うから」

閉塞した時代の空気を軽やかに振り切り、解放に向かって走る。その足元には新しいAIR MAXがよく似合う。時代に適応しながら常に新しいスタイル模索する、両者の今後の挑戦から目が離せない。

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