創業は1898年。アメリカでもっとも古いランニングシューズブランドとして知られるSaucony。日本ではそのクラシックなデザインが、ランナーだけでなくファッション好きやスニーカーファンからも愛されている。そんなSauconyを長年愛用してきたのが、モデルのKanocoさん。自分らしいファッションスタイルを模索していた駆け出しの時代にSauconyと出会ったという彼女に、この愛すべきブランドの魅力を語ってもらった。

渋谷の古着屋で、3つの丸に一目惚れ

KanocoさんとSauconyの出会いは2013年。履いて出かけるとあちこちで「それかわいいね」と好評で、「こりゃもうSauconyブームを巻き起こすしかないね」と意気込むKanocoさんの言葉が、当時のブログに残っている。

「渋谷のBOYという古着屋さんにユーズドのSauconyが置いてあったんです。蛍光の青と黄の配色と、サイドラインの3つの丸に一目惚れして買っちゃいました。『新しいスニーカーブランドを見つけたぞ』という感じでした。私、スニーカーには詳しくなくて、モデル名もよくわからなかったけど、撮影現場で『レアなものを履いてるね』と言われるのがうれしくて」

上京以前、地元の兵庫県の高校に通っていたころは、意外なことにギャルだったというKanocoさん。そのころに養った感性なのか、今でも派手めなアイテムはジャンルにとらわれず手に取るそうで、スタイリングに自分らしさをプラスすることには余念がない。

「たとえば、レトロな古着のワンピースにはハイテクスニーカーを合わせて、逆に今っぽい服にはSauconyの『JAZZ』みたいなレトロなシューズを持ってきたり。どこかにアンバランスさがあるスタイルにするのが自分らしいと思えて、好きなんですよね」

ギャルファッションを卒業したのは、古着が好きだった兄からの影響が大きかったという。兄に連れられて、モードでアートな古着ショップとして知られていた、突撃洋服店を訪れたときのことは今でも印象深く覚えている。

「突撃洋服店ではじめて古着に触れて、今まで見たことのない世界に魅了されました。そこからしばらくは古着にどっぷりハマっていましたね。モデルになって上京してからは、仕事を通していろいろなファッションの世界に触れるうちに、今のようなシンプル&ベーシックなファッションに変わっていきました」

尖っていたあのころの自分を思い出す

Kanocoさんがこれまでに履いてきたSauconyは、青×黄色のユーズドに始まり、ネイビー×ホワイトのJAZZ、オールホワイトのスニーカー(モデル名不詳)、そして今回の撮影ではじめて足を通したJAZZの40周年モデル「JAZZ 81」で4足目になる。最近はハイテクスニーカーを履くことも増えたそうだが、ネイビー×シルバーのJAZZ 81を履いてみて、改めてSauconyへの気持ちが盛り上がったという。

「Sauconyのスニーカーって、私にとってはモデルとして駆け出しの時代を思い出させる存在なんですよ。当時は上京して3年目くらいだったのかな。たくさんのオーディションに参加して、挫折をたくさん味わっていたころです。

当時を知る人たちには『あのころのKanocoは怖かったよ』って言われるんですが、それくらい尖っていたみたい。なんとしてでもモデルとして生きていかなきゃと思っていたので、自分らしく、人と違っていることを意識して、髪型と服装の個性を追求していた。そんなときにSauconyと出会って『これかもしれない』と嬉しくなったのを覚えています」

2021年に節目の40周年を迎えるSauconyの定番アイテム「JAZZ」がアニバーサリーモデルとして登場。発売当時のディテールを意識したデザインとアップデートされたスペックが融合した一足
Saucony JAZZ81/¥8,690

そんな時代を経て人気モデルとしての地位を確立したKanocoさんも、2016年にANREALAGEデザイナーの森永邦彦さんと結婚。2021年に一児を出産した。新しい家族を迎え、仕事をセーブしつつ子育てに奮闘するなかで、シューズに求めるものも変化した。「スっと履けて疲れない靴であることがめちゃくちゃ重要なんです」と思わず力を込める。

「ノーハンドで履けないシューズは今は選べなくなってしまいました。Sauconyのようなローカットでハリのあるつくりのスニーカーはスピーディーに履けるので、子どもをおんぶしているときには本当に助かるんです」

子どもが生まれる前は、家から撮影現場のルートはなるべく歩いていた。行きはシンプルに目的地を目指すが、帰りはひたすら寄り道を楽しむ。子育てが落ち着いたら再開したいことのひとつだという。

「私、すごく歩く人なんです。以前は1日2時間以上は歩いていたんじゃないかな。イヤフォンでラジオを聴きながら、パン屋やカフェや花屋をのぞいたりして。寄り道をいっぱいするので帰宅までの道のりが長いんです(笑)。そんなふうに足を酷使するときでも、Sauconyはさすがランニングシューズだけあって疲れない。

キッズサイズのデザインもかわいいので、いつか子どもとお揃いとかしてみたいな。昨日は家族3人でりんごのニットを着ていたんですよ(笑)」

KanocoさんにとってのSaucony。それは、身ひとつで奮闘していた青春時代に手に取り、家族を持った今も足元を支えてくれている、人生にほどよい距離感で寄り添ってくれる友だちのような存在なのかもしれない。

Profile

Kanoco(かのこ)

モデル。兵庫県⽣まれ。『リンネル』、『ONKUL』、『NAVYS』などをはじめとしたファッション誌を中⼼に広告やM V でも幅広く活躍中。ライフスタイル誌『OZmagazine』のカバーガールを務める。アパレルブランドとのコラボレーションも積極的に⾏っている。

ライフスタイルフォトエッセイ『かの・この・はなし』(双葉社)も発売中。

Instagram @kanococo

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