1984年にデザインされたバスケットボールシューズを復刻したadidas Originals「FORUM」は、これまでも度々リリースされたアイコニックなスニーカーであり、2020年末の「FORUM 84 HIGH」発売により人気がリブーストしたプロダクトだ。そのバリエーションは多岐にわたり、現代のコートシューズ人気を象徴する一足として幅広い世代から支持を集めている。そして2022年6月にはABC-MART GRAND STAGE限定カラーの「FORUM 84 LOW」として、アメリカンスポーツの象徴であるカレッジカラーを連想させる淡いライトブルーをポイントカラーに落とし込んだローカットモデルが登場。今回は巨大な古着屋の倉庫でスニーカー系YouTuber朝岡周が、古着を使ったセルフコーデにトライした。

そのライトブルーを取り入れたスニーカーを選ぶのには理由がある

──今回はABC-MART限定カラーの「FORUM 84 LOW」に合わせたコーディネートを古着で組んでいただきますが、最初に「FORUM」の印象はいかがですか?

朝岡: カッコいいの一言です。それ以上の言葉は必要ないかもしれないですね。80年代のコートシューズを復刻したFORUMは今のスニーカーブームでは鉄板の人気デザインですし、オールドスクール感のあるカレッジカラーとの相性も最高だと思います。

──今日もハイカットのFORUMを履かれてますよね?

朝岡: これは先行して発売された「FORUM 84 HIGH」なんですが、今回のローカット版では単純なディテール変更だけじゃなく、シュータンやソールのカラーも変更され、よりポイントカラーを楽しめる仕上がりになっているのがわかります。一般的な「FORUM LOW」も手触りのいいレザーが使われていますが、84と呼ばれるバリエーションには素材や発色によりこだわりを感じるモデルが多く、この限定カラーでもスリーストライプに使われるスエードの手触りがよくてadidas Originalsのこだわりがうかがえます。

当日朝岡が履いてきたのは同じライトブルーをポイントに使用するFORUM 84 HIGH

──朝岡さんから見たこのカラーの魅力って何ですか?

朝岡: 80年代デザインを復刻したコートシューズだと、ホワイトにポイントカラーを組み合わせたバリエーションが多いですが、ライトブルーのポイントカラーは比較的主張が控えめで、ホワイトのスニーカーと同じような使いやすさがあります。何より初夏のコーディネートに取り入れやすいカラーなので、これから色々なスニーカーを試してみたい人も抵抗なく履ける一足だと思いますよ。

──朝岡さんはアパレルブランド「SAMPLES」のディレクターを務めるだけでなく、海外のセレクトショップや古着屋でも買い付けされていますよね。その経験を踏まえて古着をFORUM 84 LOWに合わせるときのポイントは?

朝岡: FORUMは何にでも合わせやすいスニーカーなので「これが正解」というコーディネートはないですが、アッパーに使われているレザー素材の質感がいいので、古着も素材感を意識した方がいい。これは84に限らず、今のFORUM全体に共通するポイントだと思いますね。

adidas FORUM 84 LOW/¥13,200

具体的には古着らしい使い込んだダメージ感はあっても安っぽく見えないアイテムを合わせたいです。同じカラーやシルエットのアイテムでも、生地の厚さや表面の手触りが異なると全く違ったコーディネートに仕上がるのが古着の面白いところで、僕がアップサイクルのアイテムを目的に、ニューヨークの古着屋を廻るときにも意識しているポイントです。それと古着は特別なビンテージ品でなければ新品に比べて安い価格で手に入るので、今回は普段の“朝岡周”とは違うコーディネートにチャレンジします。

古着は王道だけじゃなく、いつもと違うシルエットでも楽しみたい

朝岡が腰掛けるのは、パッキングされたままの古着のベール

──今日は巨大な倉庫の古着屋に来てもらいましたが、アイテム数が凄くないですか?

朝岡: 圧倒されますね! 海外から届いた古着のベールを開いている倉庫だけある。僕がニューヨークで巡っている古着屋もかなり広いですけど、ある程度セレクトされていて。ココは何でもアリで掘り出し物が隠れている雰囲気がビシバシ伝わってきます。

さらっと見た感じでは値段もニューヨークよりもかなり安いですし。入り口の横にはボタンやタグが切れたリペアやカスタム向けの格安古着が山のように積まれていて、靴を脱いで古着の山に登ってディグれるんですが、そんなの服好きにとってエンタメでしかないですよ。後で古着マウンテンの山頂でポーズ決めるのでいい写真を撮ってください(笑)。

──わかりました(笑)。ちなみに、今日はどんなアイテムを狙っていますか?

朝岡: 事前に発売情報が案内されるリテール品とは違い、手に取るまで何があるかわからないのが古着の面白いところであって、難しさでもある。今日もここに来るまではショーツを取り入れたコーディネートを考えていたんですけど、イメージ通りのアイテムが見つからなかったんです。でも僕には「お目当てが無い」っていうのが逆に、他のアイテムでコーディネートを組むモチベーションにつながるんですよ。

例えばデニムは90年代コーデの主役で、FORUMにLevi’sの「501」とスウェットの合わせはまさに王道。でもショーツがなくてデニムを選ぼうって思ったとき、あえて501を選ばないっていう制約を自分に与えると、いつもと違うシルエットに挑戦しようっていう気持ちになるんですよね。何なら今は一枚も持ってないオーバーオールにチャレンジするのも悪くない。

――アイテム数だけじゃなくてカラーバリエーションも豊富で目移りしますよね?

朝岡: FORUMのライトブルーとのバランスを意識して、ウェアのどこかにもブルーを取り入れたい。スニーカーが悪い意味でコーディネートから浮かないように、ウェアにスニーカーと共通するポイントカラーを取り入れるのはお約束です。今日の倉庫だとシャツにブルー系で面白いのが結構あるんですよね。エアラインの制服っぽいシャツやアロハシャツとか、色々パターンがあって悩ましいですね。

――かれこれ2時間以上経ってますよね(笑)。

朝岡: やっとイメージが整ってきました(笑)。

アロハシャツとデニムを組み合わせた王道スタイルはサイズ感とシルエットを意識する

ALOHA SHIRT(USED)/¥1,000
Carhartt DENIM PANTS(USED)/¥3,500

――レトロな空気感がある鉄板のコーディネートですね!

朝岡: このコーディネートはセンスのいい古着屋の店先にいる、常連のようなイメージで組んでみました(笑)。でもポイントを押さえるだけで、古着の上級者じゃなくても雰囲気を出せるんです。トップスのアロハシャツはコットンのリバースプリントを。リバースプリントは生地の裏面をシャツの表にして仕立てる手法で、ビビッドなカラーが落ち着いたトーンに仕上がる特徴があります。

僕が選んだ一枚もレッドとブルーを使っているにもかかわらず、馴染んだ見た目になってますよね。このリバースプリントでかすれた感じになったブルーを、FORUMに落とし込まれたライトブルーとフックさせてみました。あとはオーバーサイズになりすぎない辺りを意識しながら、リラックス感のある余裕のあるサイズバランスを狙うのもポイントです。フロントボタンをあけてインナーのTシャツを覗かせても違った雰囲気が出せると思いますよ。

――足元に清潔感のあるスニーカーを合わせると「やりすぎ」感が出なくていいですね!

朝岡: それが復刻のFORUMを合わせるメリットでもあって、パンツは鉄板の色落ちのあるデニムですけど「おじさんコーデ」になってないでしょ(笑)。今日はLevi’sではなくてCarharttを選びました。もちろんLevi’sはNGとか言うつもりは全くなくて、色々試着したらシルエットがよかっただけです。それと思ってたより安かったですし(笑)。スニーカーに向かってテーパードするパンツのシルエットが足元にポイントをつくってくれるので、スニーカーの個性を引き出してくれる気がします。このコーディネートはデニムをショーツに代えてもいいですよね。そのときはひざ上丈のショーツを選びたいです。

ヘビーデューティーなオーバーオールは「作業着」っぽさを薄めていく

――オーバーオールを着る朝岡さんが新鮮です!

朝岡: 僕の人生で初のオーバーオールです(笑)。「ザ・ワークウェア」なイメージのオーバーオールは前から試してみたいなと思っていたんですけど、今まで機会がなかったんですよね。思ってた以上に使いやすいし面白いです。新品は結構お高いのが多いので、古着のオーバーオールは狙い目かもしれません。偶然なんですが今日気に入ったのはデニムと同じCarharttで、サイズ感だけじゃなく、裾に向かって色が抜けていく感じが面白いと思いました。もともとのオーナーは、ここまでのエイジングに達するまで何回はいたんでしょうね。

STRIPE SHIRT(USED)/¥1,000
Carhartt OVERALL(USED)/¥4,000

こういうヘビーデューティーなアイテムにはワークブーツを合わせたくなりますが、ここにあえてスニーカーを合わせる楽しさもある。そうしたスニーカーコーデにはナイロンアッパーのビンテージランニングシューズよりも、FORUMのようなレザーアッパーのコートシューズの方がバランスを取りやすいと思います。

また、ボタンダウンシャツとかチェックシャツではなく、スタンドカラーのストライプシャツを合わせたのもポイントです。ブルー系のストライプでFORUMのライトブルーを意識して、襟元にシンプルなチェーンを合わせてストリート感を出してみました。僕にとって初のオーバーオールですけど、全体のバランスは結構気に入ってます。

――これから古着も楽しみたいと考えているスニーカーファンに対してアドバイスをお願いします!

朝岡: 先入観を持たずに色々と試すことだと思います。自分らしさを意識するのも大切ですけど、それが挑戦を避ける言い訳になるともったいないですし。今日のオーバーオールだって4000円ですよ(笑)。Tシャツと変わらない予算でこんなに遊べるのは古着ならではです。それにしてもこのFORUM 84 LOWの限定カラーは別格の使いやすさじゃないですかね。結構印象が異なるコーディネートを組んだつもりですけど、どちらにもバッチリでしょ。3peace古着卸売倉庫の女性スタッフさんも「カワイイ! 」って言ってましたし、サイズも23cmから展開されるとのことだったので男女問わずオススメできるスニーカーですね。

──ありがとうございました。

シンプルなシルエットで幅広いコーディネートの相棒になるABC-MART GRAND STAGE限定FORUM 84 LOWは、全身のシルエットやアイテムの素材感にこだわりをプラスすることで、自分らしさを演出する特別なスニーカーにもなり得る事実を朝岡周が証明してみせた。また、このレポートでは紹介していないコーディネートを自身のYouTubeチャンネル『朝岡周& The Jack Band』でも公開しているので、そちらのチェックもお忘れなく。ビンテージアイテムに特別な思いを寄せる世代だけでなく、若いファッショニスタのあいだでも人気が再燃している古着を着こなし、初夏を連想させるライトブルーのFORUMとともにストリートシーンを楽しんではどうだろうか。

Shop Information

3peace古着卸売倉庫

神奈川県を中心に店舗を展開する古着屋「3peace」の仕分けベース基地であり、業販向けの卸に対応する巨大な古着倉庫。同業態の古着倉庫を愛知県一宮市にも出店。週末には一般に向けても解放しており(スケジュール等は公式サイトで要確認)、毎週のように若い世代のファッショニスタで溢れかえっている。

神奈川県平塚市岡崎2976-1

https://3peace.shop/

Profile

朝岡 周(あさおか・しゅう)

YouTubeチャンネル『朝岡周& The Jack Band』を主宰する、サックスプレイヤーの肩書を持つ異色のスニーカー系YouTuber。アパレルブランド「SAMPLES」のディレクターも務め、スニーカーだけでなく、全身のコーディネートありきのスニーカーシーン情報を発信し続けている。

YouTube 朝岡周& The Jack Band

Instagram @shu_asaoka

Profile

佐藤 裕志(さとう・ひろし)

原宿エリアのアパレルショップスタッフ経験を経て、神奈川県平塚市にてスニーカー系セレクトショップ「HAND CARRY」をオープン。約6年にわたりオーナー兼バイヤーとして活動。その後ライター業やPRプランナー業を経て、2014年には双葉社『SNEAKER FANBOOK』のディレクターに就任。現在までに10誌以上のスニーカー系ムックを出版している。

Instagram @sneakerfanbook

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