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Shoes × Culture

大人になるために知っておきたい50のコトvol.05 いまこそ始めたいGS流エシカルファッション

Text Shigekazu Ohno(lefthands)
Illustration nippashi
Edit Kunihiro Miki

大人が憧れる大人とは? 周りから「大人だね」と褒められたことがあるだろうか? 評価を変えるのは、日々の少しずつの努力と工夫の積み重ね。カッコいい大人と認められるためのヒントとして、“50のコト”を伝授しよう。

今回は、もはや目を背けることのできない地球環境について、ファッションの観点から考えてみたい。カッコよくて使い心地がいいだけでなく、地球にも人にも優しいから、自分の気持ちもいい――そんなエシカルファッションを取り入れてみよう。

Case 13. エシカル=意識高い系?

最近になってストローが紙製になったり、レジ袋が有料化されたり、そもそもの理由は、のっぴきならない地球温暖化や海洋汚染、ゴミ問題や天然資源枯渇といった地球規模での環境問題に根を持つ。これまではなんとなく他人ごととして考えていた人も、目にし、耳にする機会が増えるにつれ、いよいよ自分ごととして「体感」し始めているのではないだろうか。

ファッション業界で近年よく耳にするようになってきた言葉に、エシカルファッションというものがある。「倫理的・道徳的なファッション」という意味で、地球環境や人に配慮したプロセスでつくられているブランドやアイテムを選ぶことで、スタイルだけでなく着る人の意識までを自己表現しようというムーブメント。

悲しいかな、エシカルファッションが生まれた背景には、これまでファッション界がエシカルでなかったという事実があった。さまざまな化学染料は水質汚染を引き起こし、工場から排出される二酸化炭素量は全産業のおよそ10%にも及んでいた。また発展途上国では女性や子どもを含む立場の弱い人々が、時に劣悪な環境下で、低賃金で働かされているという事例もあった。 そう、いまや「ただ好きだから、カッコいいから」という理由で、アンチ・エシカルな企業の片棒を担いではいけない――そんな意識が消費者のあいだに広がってきたことが、エシカルファッション・ブームの後押しとなったのだ。一人ひとりの消費者は、「買うこと」によってエシカルなブランドをサポートし、逆にそうでないブランドを「買わないこと」の選択によって排斥することができるのだとしたら。エシカルファッションは、もはやこれまでのイメージのような「意識高い系」だけの選択肢ではないはずだ。

Case 14. シューズを選ぶなら「サステナブル素材」から選ぶ

選挙権が政策に賛同できる政治家を選ぶための権利だとすれば、同様に消費者である我々はお金を払うことでエシカルなブランドを応援する権利がある。嬉しいことに、いまや多くのブランドが、ただカッコいいだけでなく、さらにエコでエシカルなアイテムを次々と打ち出してきている。

例えばadidas Originals初のサステナブル・フットウェア コレクションとして8月にデビューした「Clean Classics」は、どんな着こなしにも合う「永遠の定番」としてのスタイルをキープしたまま、アッパー素材の70%以上をリサイクル素材で構成。アウトソールにも天然ゴムに加えてリサイクルゴムを混合したBETTER RUBBER素材を採用するなど、あらゆる要素におけるサステナブル素材の使用を実現している。

またNIKE Flyknitは、従来のフットウェアアッパーと比べて平均で60%もの廃棄物を削減するように設計されている。2012年以降の製造において、実にプラスチックボトル6億本以上に及ぶ再利用を行い、合計で1,000万ポンド(約4,536トン)もの廃棄物の削減に成功を収めているという。NIKEはそのほかにも、Move to Zeroという炭素と廃棄物の排出量をゼロにすることを目指す取り組みも展開しており、NIKE AIR VAPORMAX 2020 FKやアパレルのリバイバル コレクションといったスタイリッシュなアイテムをリリースしている。 自分がいま履いているスニーカーの背景に、そんな世界規模での地球環境改善に向けた取り組みのストーリーが見えるとしたら。なんだか胸がワクワクしてこないだろうか。

Case 15. エコバッグにこだわろう

レジ袋の有料化に伴い、いよいよ普及が急速に進んだエコバッグ。あなたはどんなものを使っているだろうか。ブランドやセレクトショップのオリジナルから、コンパクトに折り畳めて収納できる便利もの、高級食材店のロゴ入り、アウトドアブランドが手がける防水性や保温性に優れた高機能ものなど、昨今は選択肢の幅もぐっと広がり、選ぶ楽しみが増えてきた。

エシカルファッションを楽しむのなら、エコバッグも同じ観点から選びたい。例えばアウトドアブランドの雄、Patagoniaのエコバッグは、オーガニックコットン・キャンバス100%。フェアトレード・サーティファイドの縫製を行うほか、製造段階で発生する端切れの量を削減するプロセスを採用。補強された頑丈な持ち手を備え、耐久性もバツグンだから、フィールドやストリートに持ち出すのにもってこいの相棒となるだろう。

また最近は、海洋プラスチックゴミやペットボトル素材、レフトオーバー素材(残布)などをリサイクル利用したサステナブル素材のものも多く出回りつつある。レジ袋を使わないだけでなく、さらにゴミ削減にまでつながるのだから、まさにいいことづくめではないか。

ところでエシカルファッションといえば、進んでいるのがエコ先進国のドイツ。他のヨーロッパ諸国と比べて市場シェアが高いだけでなく、国を挙げて環境問題と健康面での安全性向上に取り組んでいるという。レジ袋消費量も他のヨーロッパ諸国の1/3程度という意識の高さで、エコバッグの浸透も早くから進んでいた。

現地に行ってみると、よくある雑貨店やドラッグストア、スーパーなどの他に、書店や土産物店、パン屋、スポーツ施設など、とにかくあらゆる場所でオリジナルのエコバッグを売っているので、たとえドイツ語が読めなくても、デザインに惹かれて一期一会の出会いというのもあるだろう。また、お気に入りのエコバッグに紐を通して巾着にしたり、ストラップを縫い付けてリュックにしたり、クッションカバーにしたりといったリメイクをする人もいるという。安くて、エコで、自分だけのオリジナルファッションを楽しめるエコバッグのリメイクというのも、面白いではないか。先駆的に取り組んでいる人たちにならって、あなたも試してみては?

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