adidas Originalsが誇る名作シューズ「STAN SMITH」がサステナブル仕様に生まれ変わった。“世界でもっとも売れたシューズ”は今度はどんなスタンダードをつくってくれるのだろう。地球にやさしいアイテムを手に取り、使い、着る。そんなサステナブルに根ざしたライフスタイルを発信する3人のクリエイターたちが向き合う、地球と環境と私たちの良好な関係とは。

DEPTのeriが提案する、一着の服の大切さ

ファッション・繊維産業は世界の環境汚染産業第2位という大変不名誉な立場にいます。さまざまな工程で環境に甚大な負荷をかけてつくられる服たちですが、日本だけでも新品のまま、誰にも袖を通されることなく廃棄される服は10億着にものぼります。大量生産で製造された安価な服たちは、環境だけでなく、生産現場の人たちの化学物質による深刻な健康被害や、過酷な労働環境につながることも。こうした一着の生産工程の裏側には、根深い問題が数多く存在しています。

では、それは“つくる側”だけの問題でしょうか? 私たち“選ぶ側”が、安ければいい、流行だから、なんて安易にファッションを選んでしまっていることが、つくる側の在り方やモラルを下げているという見方もできるのです。

ファッションとは“自分自身がどんな人間なのか”という個人の精神性を表現するためのもの。だから服を買うとき、選ぶときはとても慎重になるべき。「あら、あの人が着ていて可愛かったから私も!」なんて安易に選んでしまっては自分の内面が置き去りにされてしまいます。

インソールに印されたPRIMEGREENは履くたびに持続可能な世界に向けて一人ひとりが重大な役割を担っていることを思い出させてくれる

可愛いな、素敵だなと同時に、長く着られるものか、丈夫にきちんとつくられているか、環境に配慮され劣悪な労働環境で搾取されている人がいないか、そもそも自分にとって本当に必要なのか? など一着を選ぶ前に自分はどんなものを身につける人間でありたいのかを立ち止まって考える視点と余裕を持つことが、これからの時代に求められる「真のオシャレ」ではないでしょうか。

Profile

eri(えり)

DEPT Company代表。1983年NY生まれ東京育ち。1997年立花ハジメとLowPowersのボーカルとしてアルバムをリリース。2002年より自身のブランドを立ち上げ東京・中目黒に旗艦店を構える。主に古着屋「DEPT」、古着を利用したワンオフブランドDEPT ONE OF A KINDの制作、motherをはじめとする自社ブランドのデザインを手がけている。会社・店舗運営においてのすべての行動に対し可能な限り地球環境への負担をかけないという理念のもと「DEPT THIRD-HAND PROJECT」をスタート。SNSを中心にさまざまな取り組みやライフスタイルを発信、提案している。

Instagram @e_r_i_e_r_i

モデル/ライフスタイルクリエイター・未来リナが伝えたい、サステナビリティへの想い

adidas Originals STAN SMITH/¥14,300

サステナブルは世界中で使われるようになった言葉ですが、まだ日本では“エコ意識が高い人たち”の枠として捉えられているようにも感じています。でも、実際はとてもシンプルで、日々のライフスタイルから誰もが意識できることだと私は考えています。

たとえば、新しいものを購入するとき、また何かを捨てるとき、地球の資源は有限であることを意識して「より地球の未来にとって良い影響につながる選択肢はあるかな?」と自分に問いかけるだけで、世界の循環に大きな変化をもたらします。プラスチック製の製品の消費を出来る限り減らしたり、アップサイクルされている商品を選んだり、地球と人々の未来を考えながら商品を生産しているメーカーをサポートするなど、サステナビリティはとても身近なことから始まるのです。

adidasは2024年までに、全ての製品においてバージンポリエステルの使用を廃止し、リサイクルポリエステルに切り替えると発表している。麻素材で作られた土に還すことの出来るエコバッグ(奥)は未来リナさんプロデュースによるもの

ただ、ひとりで色々なことをやろうと意気込むと、今度は自分自身の生活がサステナブルでなくなったり、精神的に疲れたりすることも。私はそれに気がついてから、「自分が心身ともに心地よい範囲でベストを尽くし、継続すること」を意識するようになりました。みんなで関心を持ち協力しあい、何よりその意識とアクションを継続することが、本当のサステナビリティだと考えています。

Profile

未来リナ(みらい・りな)

日本人の父、スペイン人の母、それぞれの母国を行き来しながら育つ。3歳からモデル活動を開始。10代の頃、摂食障害をきっかけに愛を原点とした生き方、ヴィーガンに出会う。以降、環境・動物・健康について幅広い視点からヴィーガンライフスタイルを学び、未来への希望と生きる喜びに目覚める。近年ではモデル活動とともにトークショーをはじめ、Plant basedレシピ開発や書籍の出版等多岐にわたり、“地球を守る為に、いま自分が尽くせるベスト”をモットーに「モデル/ライフスタイルクリエイター」として活動中。

Instagram @lina3336

YouTube 未来リナ / Lina Mirai

花の“命”を生かすために、フラワーサイクリスト・河島春佳が考える自然との向き合い方

ロスフラワーという言葉を知っていますか? 美しい生花は空間に彩りを、心に潤いをもたらしてくれる欠かせない存在ですが、実は結婚式やイベントで飾られた花や、生花店でも購入されなかった花のなかには、そのまま廃棄されてしまう場合があるのです。そんな廃棄予定だった花を、ドライフラワーなどにして作品制作を行っているのですが、私がロスフラワーに関心を抱きはじめたのは、エシカルや環境問題に興味があったわけではなく、単純に「花が好き」という思いからでした。

20代半ばにファッション雑誌のECで撮影の手伝いをしていたときに、ふと、自分が本当に好きなことを仕事にしていきたいと思ったんです。そこで真っ先に浮かんだのが「植物」でした。

アッパーにはレザーと同じ手触りのある日本製プレミアムPUコーティングを施したリサイクルポリエステルを使用。ほかアウトソールやインソール、レースまで全てのパーツがサステナブル素材で作られている

登山が趣味で、北アルプスの山小屋に泊まったりした際に、高山植物の写真を撮るのがすごく楽しかった。加えて、大学で服飾を学んでいたこともあり、洋服や服飾品などをつくる技術がありました。そんななか、ものづくりのスキルと植物をかけあわせて何か出来ないかなと考えて、行き着いたのが「花」を使ったアート作品づくりでした。

もともと新しいものより古いものにひかれるタイプで、時間を経てかたちを変えていったものに魅力があるのです。ドライフラワーの色合いから、もとの花の色を想像してみるのもわくわくするし、実際に変化していく様子を観察するのも、花の生きざまを体感しているようで儚さも感じます。

そしてドライフラワーは半年ほど美しい状態で観賞できます。もちろん生花にもすばらしい魅力がありますが、ドライにすることで長いあいだ楽しめますし、何よりも植物の生命力を感じるととともに、より自然を大切にしていこうと思えるのです。

Profile

河島 春佳(かわしま・はるか)

長野県生まれ。大自然の中で幼少期を過ごし自然を愛するようになる。東京家政大学服飾美術学科卒業。2017年 生花店での短期アルバイト時に、廃棄になる花の多さにショックをうけたことから、独学でドライフラワーづくりを学び、フラワーサイクリストとしての活動を始める。2018年クラウドファンディングで資金を集めパリへの花留学を実現し、2019年ロスフラワーを用いた店舗デザインや、装花装飾 を行う株式会社RIN を立ち上げる。2020年花農家と消費者の架け橋として開設したオンラインショップ『フラワーサイクルマルシェ』は、農林水産省HPでも紹介。

Instagram @haruka.kawashima

http://harukakawashima.com/wp/

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