「Vaporwave」の世界的流行をはじめ、PC黎明期における“近未来的”エレメントは、現代の人々にもインスピレーションをもたらし続けている。今回、今では当たり前となった“ギガバイト”がまだ憧れの領域であった1990年代を象徴する“MEGABYTE(メガバイト)”というフレーズと共に、当時のPC機器をデザインに落とし込んだ(!)レトロなコレクションがSauconyから登場した。

90年代のMacがスニーカーに?!

ブラウン管モニター、ポリゴングラフィック、ロービットでカラフルなヴァーチャル空間……80 〜 90年代へのノスタルジーを幻覚的に再構築したサブカルチャー「Vaporwave」は、2010年ごろの隆盛以降、音楽/映像/アート/ファッションなどあらゆる領域に侵食を続けている。一過性のリバイバルに止まらないその“波”は、ついにシューズにまで到達したようだ。

このMEGABYTEコレクションにラインナップするのは2種類。Sauconyを代表するランニングシューズのひとつ「SHADOW」の安定性と快適性を向上させたアップデートモデルであり、2021年にデザイン生誕30周年を迎える「SHADOW 6000」と、企画書に偶然紛れ込んでいた90年代後半のポロライド写真に写っていたという、幻のプロトタイプを現代のテクノロジーで復活させた「GRID AZURA 2000」。誰もが知る秀作ランニングシューズと、一度は歴史に埋もれた幻のプロダクトの共演だ。

MEGABYTEのアッパーには、いずれも明るいトーンのアイボリー系に整えたカラーブロックを採用。これは90年代後半に「G3」と呼ばれ親しまれていたPower Macなど、当時の最新PCのモニター、キーボード、フロッピーなどのカラーにオマージュを捧げたものである。

SHADOW 6000はざっくりとした質感のメッシュにスエード素材を組み合わせ、1991年にデザインされたランニングシューズの復刻モデルに相応しいレトロ感を演出。シュータンのスペシャルタグやインソールにデザインされたキーボードのグラフィックがMEGABYTEらしさを演出。各パーツを染めるアイボリーのトーンの濃さを変化させ、SHADOW 6000を象徴するディテールを際立たせている。シンプルなワントーンカラーとは一線を画す、まるでスニーカーブティックが手掛けたコラボレーションモデルのようなコダワリ感が最大の魅力といえそうだ。

GRID AZURA 2000ではアイボリー系のコーディネートに加え、サイドパネルのアンダーレイにPCの基盤を連想させるグラフィックをインプット。レトロ調のルックスに近未来感を融合させた仕上がりが、MEGABYTEのニックネームに相応しい。これまでに発売されているGRID AZURA 2000のスポーティなルックスに比べるとタウンユース寄りのコーディネートに仕立てられており、幻のスニーカーを再現したGRID AZURA 2000のプロフィールに魅力を感じつつも、履きこなせるか悩んでいたスニーカーファンには魅力的な選択肢になりそうだ。

今やデスクトップPCの本体はシルバーやブラックが定番。だが90年代では、明るいアイボリーがデスクトップPCを象徴するカラーであり、近未来を意味するディテールだった。その空気感をデザインに落とし込んだSauconyのMEGABYTEは、当時を知る世代にとっては懐かしく、デジタルネイティブ世代にはレトロとフレッシュ感が共存する新しいスニーカーとして受け入れられるのだろう。

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