Story

Shoes × Culture

グルメハイ&ロー うどんと秘密基地、新しい渋谷の“普段使い”グルメ

Photography Diggy
TextHayato Narahara
CollaborationXICO

大切な人と特別な時間を過ごしたいとっておきの名店から、いつもの仲間とカジュアルに楽しみたい馴染みの店まで、あなたの日常を彩るスポットを紹介する企画「グルメハイ&ロー」。今回は、再開発が進み新たな表情を見せ始めたストリートカルチャーの発信地・渋谷にフォーカス。ただおいしいだけじゃない、文化的な刺激も味わえる”通えるお店”が続々とオープンしているので、ぜひとも手札に加えておこう。フォトインスタグラマー・ディギーの視点で切り取った写真とともに、変わりゆく渋谷グルメをご案内。

行きたい場所も、行く機会もたくさんある。なのになぜか”自分の街”と思えないのはなぜだろう。人をよび寄せる強い求心力がありながらも、どこか他人行儀でとっつきにくい。そんな近くて遠い街・渋谷に、最近、普段使いをコンセプトにした”通える”お店が出現している。フォトインスタグラマー・ディギーとともに、ストリートの秘密基地ともいえる新しいグルメスポットへと足を踏み入れた。

1日に何度も通いたくなるソウルフード『麺散』

キャットストリートから少し路地を入ったところにある、店前に停まった黄色いキッチンカーがひときわ目を引く讃岐うどん屋『麺散(めんちらし)』。2018年9月にオープンしたこちらのお店。ミックスカルチャーした雰囲気の店内に一歩踏み込めば、他では味わえない空間であることがすぐさま体感される。「この神宮前というエリア、気軽に通える飲食店があまりなかったんです。そこで、何度食べても飽きのこないおいしいうどんの店を開くとまず決めました。でもそれだけじゃ、このお洒落なエリアには馴染まないかもしれない。そう考えたときに、料理の味だけじゃなく見た目やお店の雰囲気も楽しめるような、いわば通うことがステータスになるうどん屋さんをコンセプトにすることにしたんです」と教えてくれたのは、店長の工藤瞬さん。

職人技を間近で見るのも麺散を楽しむポイントのひとつ

職人技を間近で見るのも麺散を楽しむポイントのひとつ

打ちたて・切りたて・茹でたてでモチモチ。食感と風味がたまらないうどんを、釜玉とぶっかけでいただく。良心価格にしてこの絶妙な味わい、聞けば、行列の絶えない新宿の名店『うどん 慎』で修行した職人が腕を奮っているとのこと。天然の真昆布からとった出汁が香る「かけうどん」はなんと450円で堪能できる。

「ぶっかけ かしわ天」900円(左)、「釜玉」550円(右)

「ぶっかけ かしわ天」900円(左)、「釜玉」550円(右)

波佐見焼をあしらった店頭の白い陶壁や、壁に打ちつけられた畳、「仏迦袈(ぶっかけ)」のネオンなど、エキゾチシズム漂う内装は海外客にも人気だそう。ふわふわのたまごが病みつきのだし巻きドッグ(750円)をパクつきながら、キャットストリートを散策するのも楽しい。

ちょうど店内では、アナログが再発され話題となったNujabesによるジャパニーズ・ヒップホップ名盤『Modal Soul』が流れていた。渋谷と原宿のあいだ、ストリートカルチャーの街に現れた”通える”うどん専門店。否応なしに「ソウルフード」というワードを喚起させられるお店で、仲間と遊ぶ前の腹ごしらえや、同僚との仕事終わりの居酒屋使いとして活躍するだろう。雰囲気も気取らずカジュアルに楽しめる絶品”ローグルメ”ここにアリ。

美食とアート、カルチャーが行き交うプラットフォーム『Sta.』

渋谷の文化村通りの喧騒を抜けた先、神泉・松濤エリアの入り口にあるのが『Sta.』。入り口には小さく掲げられた看板と大きな鉄扉があるだけ。一見するとレストランとは思えない店構えで、まるで秘密基地のよう。ちなみに店名のSta.は”Station”が由来。無添加食材を使用したおいしい料理が味わえるだけでなく、トレンドに敏感な若者や近所住まいのおひとりさま、アーティスト、文化人など、さまざまな人と情報が行き交うプラットフォームにもなっている。

3Fは一面天窓になっており、植物も相まって美しい箱庭的空間となっている

3Fは一面天窓になっており、植物も相まって美しい箱庭的空間となっている

「ワイン 赤」800円 〜 (左)、「菰野(こもの)豚のグリル 赤ワインと山椒のソースがけ」2,000円(右)

「ワイン 赤」800円 〜 (左)、「菰野(こもの)豚のグリル 赤ワインと山椒のソースがけ」2,000円(右)

オーダーしたのは、三重県菰野町産まれのブランド豚肉・菰錦豚(こもきんとん)をメインにした一品。筋肉質な雄豚ではなく甘味と脂身が多い雌豚のみを飼育し、そこからさらに良質な豚を厳選して出荷することで知られている。とても柔らかく、口の中に甘みが広がる豊潤な味わいで、赤ワインがやはりよく合う。店内の調光もほどよくついついお酒も進みがちに。

2Fはすべてカウンター席。スタッフとの距離の近さも魅力のひとつ

2Fはすべてカウンター席。スタッフとの距離の近さも魅力のひとつ

『Sta.のスタッフはお客さんがきても「いらっしゃいませ」という言葉はあえて使わずに「こんにちは」「こんばんは」と言うようにしているんです。渋谷駅からはちょっと歩くし、喧騒を抜けた先でほっと落ち着いてもらえたらなと。スタッフとのお喋り目的できてくれる人も多いので、友だちと会うような感覚で集まってもらえたら嬉しいですね』と語るのは店長の藤原丘弥子さん。食や人、アートとの出会い。ここに通えば何かが得られる、Sta.はそんな期待を抱かせてくれる空間だ。親しい人と特別な時間を過ごすのにふさわしい”ハイグルメ”な一品を味わいにぜひ訪れてみては。

Shop Information

麺散

東京都渋谷区神宮前6-13-7

TEL: 03-6427-9898

営業時間: 11:30 〜 23:00(L.O 22:30)

定休日: 火曜日

予算: 500 〜 2,000円ほど

Shop Information

Sta.

東京都渋谷区円山町11-7

TEL: 03-6455-2056

営業時間: ランチ 11:30 〜 14:00(L.O 13:30)/ ディナー 18:00 〜 23:30(L.O 23:00)

定休日: 水曜日

予算: 4,000〜5,000円ほど

Profile

ディギー

1993年茨城県生まれ、東京都在住。トラベルフォトグラファーとして海外政府や企業との仕事をメインとし、現在はインバウンドの写真事業も行っている。大手百貨店のPR撮影やファッション・音楽業界のスチール撮影など多岐にわたって活動。独自の視点での切り取りに定評が高く、instagramにもファンが多い。

Instagram @diggy3625

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