誰もが、毎日のように靴を履く。だからこそ、どんな靴を履くのかにはその人の考え方や哲学がにじみ出る――。著名人にお気に入りの靴、記憶に残る靴について語っていただく「My Favorite Pair」。2回目は、CHAIのマナさんとカナさん。CHAIといえば、ピンクの衣装が似合う4人組。「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり」を掲げて、思わず歌いたくなるメロディとグルーヴあふれる変幻自在なリズムで、世界中の音楽ファンを魅了している。カラフルでビビッドなイメージの双子の姉妹が持ってきてくれたのは、まさかの真っ白なスニーカーだった。

服も靴も、買っては売るの繰り返し

「小さいころからめっちゃファッションが好き」と声を合わせるマナさんとカナさん。地元、名古屋で幼いころから同じ場所と時間を共有してきた二人は、ファッションの影響の受け方も一緒だった。その入り口として、雑誌『Zipper』の存在が大きかったという。

「激しい色の服ばかり着てたよね。『Zipper』に出てたSHAKALABBITSのUKIちゃんが大好きで、履いてたピンクとか黄色のレギンスが欲しかった。それが小学校4年生くらいかな」(マナ)

「その後は古着が好きになってね。当時は何か特定のブランドが好きっていうことはまったくなくて」(カナ)

マナ(左)、カナ(右)

時間の経過とともに二人の好みも紆余曲折。今のルックスとCHAIの音楽性からは考えられないが、中学時代はギャルに憧れていたという。そんな10代の思い出を懐かしみつつ、今のファッション観について聞いてみると、買い物はリサイクルショップやフリマアプリを利用することが多いんだとか。

「ブックオフが大好きなの。特にSUPER BAZAAR(本やアパレル、生活雑貨なども揃えるブックオフの大型店舗)に服とか靴を漁りに行くのが最高。あれは宝探しだよね。最近、フリマアプリでボロボロになったNIKEのエアフォース 1を買ったんだけど、靴はある程度使いこまれているもののほうが好きかも。だって、履きやすいし、色がくすんでいたりするほうが逆によくない?」(マナ)

「私も大学生のころは古着屋さんで白くて汚いスニーカーばかり買ってた(笑)。最近、ずっと探してたグッチのパンプスを買ったんだけど、ヴィンテージだから超可愛いの。私たちは服もそうだけど、靴も気がつくと買ってるね。買っては売るの繰り返し」(カナ)

買ったものをため込んだりコレクションせず、使わなくなったらすぐに売ってしまうのは、押し入れに閉まっておくとモノが可哀想だと思うからだそう。誰かに使ってもらいたい。モノは使ってこそ命が吹き込まれるという感覚も二人に共通しているものだ。

メンバー全員の足元を支える、真っ白なadidas

CHAIのライブは歌や演奏にダンスも取り入れているが、そのパフォーマンスを支える足元は「めちゃくちゃ重要!」だと二人は声をそろえて話す。4人のライブ衣装はピンクをベースにしたビビッドなファッションの印象が強いが、実は足元だけは同じスニーカーを履き続けている。それがadidasの「SUPERSTAR SLIPON W」。フロントのクロスバンドがアイコニックなadidasのクラシックモデルだ。

ふたりが実際にステージで履いている「SUPERSTAR SLIPON W」

「最初、ドラムのユナが普通のスニーカーだと紐がほどけてバスドラムのビーターに引っかかったりするって言ってて。足首が動きやすかったり、ダンスで前に出るときに履き替える必要がない靴がいいねって話していたんだよね」(マナ)

「私もエフェクターを踏むときに厚底だと感覚がないから、昔は裸足でやってたんだよ(笑)。でも、この靴は本当にすごいの! 軽いし、紐じゃないから解ける心配もなくてずっとこれ。今履いているやつでもう4足目!」(カナ)

名古屋で活動していた時代はステージの上ではつねに裸足か靴下。「靴なんていらんと思ってた」(マナ)と振り返りながら、「これに出会えて本当によかったよね〜」(カナ)と、今のところこれ以外のスニーカーを履くつもりはない。

「本当に履きやすいんだよ。ステージの上ではリラックスできることが一番大事だし、日常と同じテンションでいたい。衣装は変わったとしても、このスニーカーだけは変わらないかも。どうしよう、なくなったら困っちゃう(笑)」(マナ)

ちなみにメンバーみんなが同じ靴を履いているから、シュータンの裏にはそれぞれのイニシャルを手書きで入れている。そのなんとも愛らしい管理の仕方にCHAIらしさを感じる。この靴だけは手入れをしっかりして、真っ白な状態をキープし続けたいそうだ。

人生初のNew Balanceはマニアックなモデル

ステージ上の靴はパフォーマンスありきで選ぶ一方、プライベートの靴選びは特にルールがない。New Balanceでは珍しいダッドスニーカー的な「ML615」は、今ある唯一の二人のお揃いの靴だそう。昨年、実家に帰省したときに足を運んだ三重県のアウトレットモールで一緒に買ったのだという。

取材現場にも履いてきてくれたNew Balance ML615

「New Balanceを買ったのは人生で初めてかも」(マナ)

「こういうゴツいスニーカーって持ってなかったんだよね。私はこの生地感が好き。メッシュじゃないやつが欲しかったの」(カナ)

巷で人気の990番台や女の子が履きやすい「327」でもなく、まさかのML615というチョイス。ベーシックモデルよりもゴツいスニーカーが欲しかったという理由もマナさんとカナさんらしい。マニアックなモデルでも、靴の色はやっぱりモノトーンが好み。足以外はビビッドな色や柄ものであっても、足元だけはシンプルでいたいのだ。

「私たちのライブ衣装ってピンクが多いから、足元に目がいきがちでしょ。靴まで派手だったら、チンドン屋みたいになっちゃうから(笑)。プライベートではピンクのCONVERSEとかも履くけど、音楽と同じで抜き差しが大事なのかも。ファッションも詰め込みすぎないで隙間をつくりたいね」(マナ)

ピンクといえば、誰もが認めるCHAIのテーマカラー。バンドが掲げる「NEOかわいい」とも深く結びついている色で、そこには並々ならない思い入れがある。

「ピンクは憧れの色だよね。楽器もピンクに塗っちゃったし。女性のイメージとしてはかわいい人が着るとか、大人になるほど着ていかなくなるイメージがあって。だから私たちは余計にピンクを着て、もっとかっこよく見せたいの。ピンクを着なさそうな私たちがあえて着ることで、強さを見せたかったし、憧れをちゃんと着たかったんだ」(マナ)

「なんでだろうね、ピンクってプリティーってイメージが強いよね。本当はクールな色なのにな」(カナ)

音楽を通して、世の中のさまざまな「かわいい」を塗り替えていくCHAI。色とりどりの衣装をまとったステージ上の彼女たち。その足元は、いつも真っ白なスニーカーが支えていくのだろう。

Profile

CHAI(ちゃい)

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO – ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。

2017年1stアルバム「PINK」が各チャートを席捲、音楽業界を超えさまざまな著名人からも絶賛を受ける。

海外からの評価も高く、2018年にはアメリカ、イギリスの人気インディーレーベルから海外デビューも果たし、自身のワールドツアーや世界各国のフェスへの出演も精力的に行っている。

2019年セカンドアルバム「PUNK」をリリース、世界中の音楽サイトで軒並み高評価を獲得。

2020年はコロナ禍で活動が制限される中6作シングルをリリースし世界中の音楽ファンから引き続き注目を集めている。

彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく『NEOかわいい』バンドCHAIだよ!

https://chai-band.com/

Instagram @CHAIofficialJPN

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