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“究極の9曲”プレイリスト
仕事中や移動中、そしてプライベートタイム。ひとりの時間にはいつも音楽が寄り添っている。自分の生活を形成する、9曲にして究極のプレイリストとは!? 第15回に登場するのは、日本が誇る奇天烈・摩訶不思議音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」二代目ボーカリスト、詩羽。コムアイの後を継ぎ、カオスと純真めくるめくセンセーションを巻き起こす彼女のあまりにもセンシティブで剥き出しな表現スタイル、そのコアに共鳴する同時代の才能たちが1つのプレイリストに集結!

うるせーほっとけ、ごちゃごちゃ言うな、お前はお前が正しくて、私は私が正しい。それでいい、きっと誰も間違っていないから、自分以外を不正解としないで。アレが良くてコレがダメとか、私はそういう世界線で生きていきたいとは思ってなくて、アレも良くてコレも良くて選べないもので溢れているくらいの優柔不断さも必要だと思っている。もちろん決めるときは決めなきゃいけない、決断力や判断力は大事なものだけど、優劣をつける必要がないものにもつける人が多いと感じるし、意思のない優劣をつける人も多いなと感じる。
結局どっちなの?!と曖昧な塩梅の話、「時と場合」って簡単に見えてすごく難しいことで同時に大事なことだと思う。時代の変化に飲まれて揉まれて、時には逆らって自分を通して、「何がいいか」という質問や選択がきたときに、自分の意思のある答えを持っている人が私は素敵だなと思う。アレもコレもあの子もあの人もあなたも私も、みんな良くてみんな素敵でみんなサイコーで選べないもの!
2021年11月29日、カネコアヤノの日本武道館ライブより、1曲目とアンコール後の2曲を選曲。席に座ってソワソワと周りを見て、同世代の男女から会社帰り直行のおじさままで揃う世界、すでに暖かい。真っ暗になって、光が灯って、曲が始まると泣いていた。なんて国旗の似合う人。私の隣に座るヤツも、私の向かい側にいるあの人も、だいぶ遠くに見えるあのおじさんも、泣いていた。泣くことは全然恥ずかしいことじゃないねって空間が何かに包まれていてもっと泣いちゃった。
今回選曲はしなかった「祝日」も涙が溢れる、タオルを持っていかなかったことをこんなに後悔するとは。MCなし演出は誰よりもシンプルで、最後まで誰よりもデケー心にぶち込んでくる音を、声を出して、こんなにも掴まれてこんなにも響く。アンコール、最高だったな。絶対に一生忘れない大切な1日、内緒にしたいほど。
彼女の歌に出会ったころ、彼女の言葉は優しすぎて私には苦しかった。あのときに比べたら、私もずいぶん優しくなったかもしれない。私たちの代わりに尖って泣いて、大丈夫なのかな。大丈夫だよと、私たちに言えないことを言ってくれてありがとう。カネコアヤノは神様ではなくてカネコアヤノという存在なんだ、と実感する。
目が回る夜に、不安になる。頑張れば頑張るほど、心のかわいげがなくなっていく気がする。馬鹿みたいに、好きな人の好きな曲が好きだった。昔はすごいと思っていたことがすごくないことに気づいちゃうと思っていたけど、私が相手のすごいを越しただけなんだろうな、きっと相手は変わってないのだろう。
変わらないことの愛おしさを私は知っているけど、それを唱えられるほどに私は変わった。私の中にいる私と私は、どっちが偽物とかではなくてどっちも本物で、嬉しいことも楽しいことも苦しいことも辛いことも自分自身と一番共有して頑張っている。夜くらいは、今日くらいは、ゆっくり寝よう。大丈夫だよ、おやすみ。
2001年生まれ、東京都出身。高校卒業後は芸術系の大学に通いながらモデルとして活動し、2021年4月にアメイジング ミスiD2021を受賞。同年9月、音楽ユニット・水曜日のカンパネラに二代目主演・歌唱担当として加入。10月27日、加入後の初のミュージック・ビデオ「アリス」「バッキンガム」の配信を開始。また、1980 〜 90年代のファッションをリバイバルするプロジェクト「.NOMA」の創始メンバーとしても活動するなど、ファッションを軸としたSNSでの発信も注目を集めている。
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