Story

Shoes × Fashion

COVER STORYDYGLが過ごす、オフビートなお台場ロードムービー

Model DYGL
Photography Kisshomaru Shimamura
Styling Masaaki Ida
Text Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)
Edit Hayato Narahara

UK、USのオルタナティブロックから影響を受けた独自のバンドサウンドを表現するDYGL。これまでロサンゼルスからニューヨーク、そしてロンドンへと活動の拠点を移してきた4人は大学時代の同級生にあたる。今回のカバーストーリーの舞台はお台場。東京の非日常が凝縮されたエリアを約10年の間柄になるメンバーたちと訪れた。

目的もなく、ただなんとなく。お台場が“ちょうどいい”瞬間

左からNobuki Akiyama(Vo., Gt.)、Kohei Kamoto(Dr.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Yosuke Shimonaka(Gt.)

ポストパンクやガレージなどを昇華してきたDYGL。彼らの音楽と佇まいは、レインボーブリッジや観覧車といったお台場のパブリックイメージとは結び付かない。ところがベイエリアとして切り取ってみると、東京のなかで遠出したロードムービーのようなニュアンスを帯びて、お台場のなかにレイドバック感が漂っていることに気づく。

同じ大学に通っていたメンバー4人にとって共通体験のお台場は、学園祭の打ち上げで訪れた深夜のシチュエーション。Akiyamaが「選択肢としてはかなり狭めだけど、実際に来るとテンションが上がりますね」と話せば、Shimonakaは「天気に恵まれて海がキレイな一方で、生活がまったく見えないんですよね。このビルや商業施設が多いエリアにどんな人たちが暮らしているのか想像できない」と、彼らに限らず多くの人にとって、お台場は非日常的な場所なのだろう。

ファッションもアティチュードも、音楽が教えてくれた

「自分たちがかっこいいと思うものを着て、そのままステージに上がる。地で行くスタイルがDYGLには合っていると思います」とAkiyamaが話すように、DYGLはファッション=ライブ衣装といった感覚を持ち合わせていない。

例えば、Akiyamaが音楽にのめり込んだきっかけは2000年代に起きたポストパンクのリバイバルだった。「シーン全体のエネルギーがカッコ良くて、どのバンドからも美学が伝わってきたんです。ほとんどのミュージシャンがスキニーパンツを履いていて、これがイケてるんだなと影響を受けました」。Kamotoの場合は1990年代のUKロックシーン。「当時の人たちが着ている野暮ったい感じからオアシスのスポーティな感じまで、あのオルタナティブな音とファッションをひとつのスタイルとして影響を受けていますね」

「音楽好きは、その流れを押さえていないとしないような格好がにじみ出ているんですよ。素材が良い服を着るよりは、ボロくても趣のあるものが好きですね」とKachiが語れば、Shimonakaは敬愛するバンドを引き合いに出す。「ペイヴメントはわざとロックスターの格好をしないというか、俯瞰的なんです。あのあえてスタイルを持たないアティチュードに影響を受けていて」。音楽のカッコ良さは、佇まいにも反映される。音楽ありきのDYGLだからこそ、おろし立てのブーツを履いていても違和感がない。

1980年代〜90年代のスタンダードを基調にしながらも、ニューベーシックなブランドアイテムを織り交ぜ現代的にコーディネート。私物を取り入れ、カルチャーテイストも掛け合わせたオーセンティックなワーカースタイルに

(左)猟犬の毛並みから名付けられたアメリカンワークブーツの傑作
RED WING IRISH SETTER 6' MOC-TOE ORO RUSSET/¥41,690
(右)パンクスやモッズなど、イギリス・ワーキングクラスの若者を象徴するアイテム
Dr.Martens 1461Z DMC 3EYE SHOE BLACK/¥23,100

10年間で変わったこと、変わらないこと

大学で出会い、気づけば10年近くの間柄になる彼らは、アルバム制作のタイミングに合わせて、ロサンゼルスとニューヨーク、ロンドンに居を構えてレコーディングに取り組んできた。友人から始まった4人に、バンドを通じて変化してきたお互いの関係について聞いてみた。

「一緒にいる時間が長くなって、心の中を読めるようになってきた部分がある。強いていうなら“バンドメンバー”が一番フィットするんじゃない?」(Akiyama)
「友だちでも同僚でもなく、どのカテゴリーにも当てはまらないね」(Shimonaka)
「たしかに、バンドメンバー以外に適切な表現が思いつかない」(Kachi)
「でも、一般的なバンドメンバーと違う感覚がある。仕事と生活も一緒に過ごしてきて、大学も一緒だったし、バイトも一緒だったメンバーもいるから」(Kamoto)

(左)世界で初めてブーツにゴアテックスを搭載した、Dannerの代表的ブーツ
Danner DANNER LIGHT KHAKI/¥60,500
(右)アッパーは防水加工。HIPHOPカルチャーでも定番の通称“イエローブーツ”
Timberland 6-INCH PREMIUM BOOT WHEAT/N/¥26,400

海外レコーディングを終えても現地で活動し続けてきたDYGLのように、バンドとして中長期的に海外に拠点を構えるのは他に類を見ないスタイルだ。コロナ禍の今は日本に帰国しているものの、自分たちの音を表現する拠点についてはどう考えているのだろうか。

「今は東京の住宅街に住んでいるけど、その感じは自分の音に出ていると思います。それが良いか悪いかではなく、自分の気持ちが向かっている場所でやるということが重要なのかもしれないです。YouTubeやサブスクで自分たちを知ってもらえるきっかけが多くあるし、日本が拠点でもハンデは感じませんね。ただ海外に行くという事実は、知らない世界を肌で感じるという意味で重要なインプットになると思います」(Kachi)

「僕は行ったことのないところに行くのが楽しいですね。自分たちの音楽を知らない人がいる場所でライブができれば、それは日本でも海外でも関係なくて。でも海外で過ごしていると、過ごし方から精神状態を含めて180度違う。見るもの、耳にする言葉、聴く音楽も変わるので、生活から感じる違いは音楽をやっていく上で必要なんだろうなって」(Kamoto)

「僕らが海外で暮らしても、その国の人に根っこからはなれない。影響を受けたいところに行くのはいいけど、結局は自分次第だから」(Shimonaka)

「大切なのは、どこにいてもその場で感じることを深い洞察力で落とし込んで表現すること。今の動きづらい状況からも得られる何かがあるんですよね。イギリスに戻りたい気持ちもあるけど、むしろ海外のミュージシャンも普通に日本で活動できる状況になるのが理想ですね」(Akiyama)

バンドのこれまでとこれからを気軽に話せたのは、オフビートな時間の移ろいによるところが大きいのかもしれない。アミューズメントでもレジャーでもないお台場の一面。たまには気ままに訪れてみるのもいいものだ。

Nobuki Akiyama Coordinate
ポロシャツニット/DAIRIKU/¥29,700/4K
アウター、キャップ/モデル私物
その他/スタイリスト私物

Yosuke Shimonaka Coordinate
ジャケット/DAIRIKU/¥198,000/4K
ニット/Fred Perry x BEAMS/¥20,900/ビームス 原宿
その他/スタイリスト私物

Yotaro Kachi Coordinate
コート/Faccies/¥71,500/4K
ニット/モデル私物
その他/スタイリスト私物

Kohei Kamoto Coordinate
ジャケット/Barbour × TOMORROWLAND/¥79,200/トゥモローランド
その他/スタイリスト私物

問い合わせ先
4K/03-5464-9321
ビームス 原宿/03-3470-3947
トゥモローランド/0120-983-522

Shop Information

GRAND STAGE ダイバーシティ東京プラザ店

東京都江東区青海1-1-10 ダイバーシティ東京プラザ 5F

TEL: 03-3527-8605

営業時間: 10:00 〜 21:00

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DYGL(デイグロー)

2012年結成、Nobuki Akiyama(Vo., Gt.)、Yosuke Shimonaka(Gt.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Kohei Kamoto(Dr.)の4人組バンド。2017年4月にThe StrokesのギターのアルバートハモンドJrのプロデュースで1st Album『Say Goodbye to Memory Den』をリリースし、日本を皮切りに、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国とアジアツアーを敢行。その後、FUJI ROCK FESTIVAL’17のRED MARQUEEのステージで5000人を集めてパフォーマンスを行うなど注目を集める。2018年に活動の拠点をイギリスに移し、精力的にヨーロッパツアーなどを行いながら、日本では12月に行った東名阪札福ツアーはすべてSOLD OUT。2019年1月にはアメリカのBAD SUNSとのヨーロッパツアーを成功させ、3月には米・テキサス州オースティンでの「SXSW」にも出演。同年7月に2ndアルバム『Songs of Innocence & Experience』をリリース。現在は日本国内で次作を制作している。

https://dayglotheband.com/

Instagram @dayglotheband

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