東西南北、東京の街はエリアごとに異なる文化や歴史を持っている。繁華街でなくとも、視点の持ち方次第で街は発見に満ちたギャラリーにも博物館にもなる。今回は、気鋭のフォトグラファー清水はるみと年の瀬ムードが満ち始めた東京駅周辺、丸の内エリアを巡る。

なんとなくテレビを眺めていると、あるCMの広告コピーが耳に残った。見えないものと闘った1年は、見えないものに支えられた1年だと思う――逆境の中でひたむきに頑張った2020年を労う言葉を聞いて、思わず自分自身に「おつかれさま」と声をかけたくなった。

東京で好きな場所のひとつが丸の内だ。モダンな旧建築の建物、等間隔に植えられた街路樹、きれいに敷き詰められた石畳。とりわけブランドショップで買い物やレストランで食事を楽しむわけではないのに、この場所を歩いているだけでヨーロッパの街を散歩しているような気分になれる。

太畝コーデュロイをアッパーに用いたスリップオンスタイルのgravisの一足。インソールはクッション性、安定感、耐久性に優れ抗菌防臭の機能も併せ持つC9Lv2を装備し、アウトソールは軽量で耐摩耗性に優れる素材CLOUD LITEを使用した防滑性の高いOLIVE SOLEパターンデザインを採用している
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このクラシックな街並みは決して派手ではないけれど、いつだって普遍的な風情であふれている。この場所で毎日働く人たちも、晴れの日を迎えた新郎新婦も、趣のある雰囲気と相まって映画のワンシーンを演じているかのよう。どこから切り取っても絵になる。

その一方で、やっぱり例年よりも人通りが少ないことは間違いない。観光バスの車内は閑散としているし、何よりも運転手さんの物憂げな表情がそれを物語っている。

そんな厳しい現実を突きつけられる一方で、ラジオでは季節に合わせて、たくさんのクリスマスソングがリクエストされている。ある人にとっては、山下達郎の「クリスマスイブ」、竹内まりやの「すてきなホリデイ」、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」だったりするのかもしれない。曲は違ったとしても、年の瀬の歌たちに漂う多幸感が、今年はやけに胸に響く。

東京駅のまわりは、例年どおりにイルミネーションがきらびやかに彩っている。今もって大変な状況に変わりはない。それでもクリスマスは変わらず訪れることにほっとした。年の瀬の顧客対応に追われるビジネスパーソンや建設現場で汗を流す作業員、丁寧に靴を磨き上げるおじさんにも伝えたい。心から「おつかれさまです」と。この1年間を戦い抜いたという意味では、みんなが同志なのだ。

Profile

清水はるみ(しみず・はるみ)

1989年生、お茶の水女子大学卒業。スタジオアシスタント、書店での写真集担当を経てフリーに。風景とスティルライフを中心に撮影している。主な個展に「The Plants in the Voynich Manuscript」(2019年, IMA gallery)、「OPEN FRUIT IS GOD」(2015年, gallery blanka)などがある。

http://shimizuharumi.com/

Profile

加藤将太(かとう・しょうた)

編集者。1981年12月28日生まれ、山梨県笛吹市(旧春日居町)出身。紙・ウェブ媒体の企画・編集・執筆からトークイベント・番組の司会進行まで幅広く担当。2011年にウェブマガジンCONTRASTの立ち上げに携わり、2013年7月より世田谷は松陰神社商店街を活動拠点とする。翌年には「OVER THE MOUNTAIN」の屋号での活動をスタート。2016年9月に山梨県甲府市にVISUAL AND ECHO JAPANとの共同オフィスを開設し、東京と山梨を行き来するワークライフを送っている。今日も明日もこれからも、ひと山を越え続ける。

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