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巡都百景東京・大塚、今と昔がカオスに共存する街

Photography Harumi Shimizu
Model Luca Ribble
Text Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)
Edit Kunihiro Miki

東西南北、東京の街はエリアごとに異なる文化や歴史を持っている。繁華街でなくとも、視点の持ち方次第で街は発見に満ちたギャラリーにも博物館にもなる。
今回は、気鋭のフォトグラファーの清水はるみが、旧色街の三業通りなど昭和の名残りが色濃いながらも駅前を中心に少しずつ開発と洗練が進む大塚を、瑞々しい感性で切り取る。

太陽が容赦なく照りつける6月の午後。早く夏は来てほしいけど、蒸し暑さなんて求めていない。そんな気持ちをよそに、気温は心地よさを無視する形でどんどん上がり続けていく。

例年よりも早く訪れた真夏日の昼に、ふと思った。初めて東京を訪れた人は、この街に降り立って何を思うのだろうか。駅ビルにあわせて開発された大塚の駅前は綺麗に整理されながらも、東京でただひとつの路面電車が走っている。東京なのに東京ではない。ローカルと下町情緒がここには漂っている。

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少し小道に入れば、瓦屋根の日本家屋やアパート、年季の入ったコーポが立ち並ぶ。閑静な住宅街なのに、たくさんの工事車両が行き交っているのは何事だろう。どうやら、このエリアの古い建物を一斉に取り壊しているらしい。工事の物騒な作業音に、小さな子どもを連れたお母さんや年寄りが眉間にシワを寄せている。この辺りに住んでいる地元の人たちなのかもしれない。それぞれが浮かべる厳しい表情が、街が直面している変化への感想を物語っているように思えた。

幾つもの店が軒を連ねる賑やかな商店街も、この街のシンボルだ。その一方で、最近は流行りのデザインホテルやクラフトビール屋もできている。トレンドのカジュアルさも好きだし、老舗の定食屋や喫茶店、赤提灯の居酒屋の落ち着く雰囲気もたまらない。このレトロでノスタルジックな雰囲気はいつまで、どこまで残るのだろうか。

東京はいつもどこかが工事中で、完成形を思い描くことが難しい都市だと思う。その証拠に、都心は日本ならではのスクラップアンドビルドを繰り返して、休むことなく高層ビルやタワーマンションが建てられていく。涼しい風が吹いてきた夕方、手すりが錆びついたマンションの屋上に登ってみた。視界の先には高層ビルやタワーマンションが確かに見える。そうだ、ここも同じ東京なのだ。

Profile

清水はるみ(しみず・はるみ)

1989年生、お茶の水女子大学卒業。スタジオアシスタント、書店での写真集担当を経てフリーに。風景とスティルライフを中心に撮影している。主な個展に「The Plants in the Voynich Manuscript」(2019年, IMA gallery)、「OPEN FRUIT IS GOD」(2015年, gallery blanka)などがある。

http://shimizuharumi.com/

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