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Shoes × Culture

大人になるために知っておきたい“50のコト”vol.2 魅惑のボタニカルライフへようこそ

Text Toshie Kawamura
Illustration Tsuguya Ishii
Edit Hayato Narahara

大人が憧れる大人とは? 周りから「大人だね」と褒められたことがあるだろうか? 評価を変えるのは、日々の少しずつの努力と工夫の積み重ね。カッコいい大人と認められるためのヒントとして、“50のコト”を伝授しよう。



今回のテーマは植物。インテリアのみでなく、ファッションの原材料や料理の食材など、衣食住すべてに通ずる植物の魅力。部屋にこもりがちな日々、植物を育てながらその多様なストーリーにも触れて、自分らしいボタニカルライフをはじめよう。

Case4. 天然フレグランスルームに住まう

花屋や植物園に長くいると、服に植物の香りが染み込んでいたりする。部屋に戻って服を脱いだらふと香って、不意打ちに心癒されたことがないだろうか? 人間、においで気持ちを動かされることもたくさんある。嗅覚から心が満たされるのも、花や植物の魅力だ。

家でも仕事先でも植物に囲まれて、いつもその香りを感じていられたらなんと素敵なことだろう。アロマキャンドルやポプリももちろん良いのだけど、窓辺のマダガスカルジャスミンから漂ってくる香りは、絶対にキャンドルからは出てこない。心で感じる解放感の種類が、ぜんぜん、まったく! 別物なのだ。

アロマキャンドルに火を付ける夜もあるけど、ベランダから摘み取ったミントやローズマリーを食卓に飾ったり、バラを活けたりするとやはり違う。さまざまな植物が放つ香りが宙で混ざり合い、部屋中に満ちていくのだ。“消費”ではなく“生育”によって、自分の五感を満たせる。そんな選択肢を知っていることも、大人の暮らしには大切かもしれない。

Case5. エディブルフラワーで美食ライフを彩る

おうち時間の続いたこの数ヶ月、メキメキと料理の腕を上げた人も多いのでは。冷蔵庫の中の食材をすべて使い切ったときの、心震える達成感といったら! こんなときだからこそ知り得ることもある、ということかもしれない。

そんな食べることが最大級のイベントになるような引きこもり生活、彩りを添えてくれるのが「食べられる花」。エディブルフラワーは無農薬で育てられた食用の花で、ケーキの上に飾るのがポピュラーだけど、より日常使いとしてはレタスやハーブミックスと一緒にサラダにして食べるのがオススメ。最近はスーパーでも時々見かけるけど、ネットで検索してみると産地直送で購入できるものも多い。そこからお気に入りを探すのも心躍る。

マリーゴールド、パンジー、ペンタス、ベゴニア、他にもいろんな種類があり、それぞれに違う味がする。毒性のない花を選んで家で育てることもできるから、料理に使えるハーブと一緒に育てて、小さなエディブルガーデンを作るのも楽しい。ポイントは「花は食べるもんじゃないでしょ!」とか、「ガーリーすぎて自分にはちょっと」などの先入観を捨てること。花の魅力は飾って楽しむだけにあらず。先入観を捨て新しい価値観を飲みこむ楽しさを知ったとき、人はまた大人になる。

Case6. ヴィーガンファッションに目覚める

Stay Homeが明けたと思えば、もうすぐ梅雨。育てている植物と向き合う時間が増えて、日ごろ手の行き届かないところまであくせく世話をしていると、改めてふと思う。あれ、この子たちをちゃんと健やかに育てるのって実はすごく大変? オーガニック原材料のアイテムがお高いのにはしっかり理由がある。

例えば、市場で売られているコットンフラワー。オーガニックものは値段からしてだいぶ違うから、逆にそうでないものは一体どれくらい大量の化学農薬や水を使ったんだろう? と考える。一枚のTシャツを作るためのオーガニックコットンを生産することがどれほど大変かを、本当の意味で理解することはなかなか難しいかもしれない。でも植物を育て深く愛することで、サステナブルファッションやヴィーガンファッションといった、オーガニック素材の洋服にこだわるスタイルの意義深さに気づくことはできる。

ある晴れた日のベランダで、種から大事に育てたコットンに可愛い花が咲いている。元気のなかったユーカリの枝から小さな新芽が顔を出す。そういう瞬間に出会したとき、自分らしいファッションスタイルを築くヒントが見つかったりもするのだ。日々のボタニカルライフの先に見えてくる、大人のライフスタイル。背伸びじゃなくあくまで自然体で楽しもう。

Profile

河村敏栄(かわむら・としえ)

2011年オンラインショップの花屋「LOUISE」をオープン。趣向をこらしたオリジナル包装紙をきっかけに注目を集め、ファッション誌などにも取り上げられる。2013年下北沢に実店舗「MAG BY LOUISE」を構える。半年後、代々木上原に移転。2017年9月から花のレッスン、ワークショップ、イベントなどを行う場として新たな形態での営業をスタート。インディペンデントマガジン『FLOWER』を2018年3月に創刊。

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