大人が憧れる大人とは? 周りから「大人だね」と褒められたことがあるだろうか? 評価を変えるのは、日々の少しずつの努力と工夫の積み重ね。カッコいい大人と認められるためのヒントとして、“50のコト”を伝授しよう。

今回のテーマはコーデュロイ。今シーズンのトレンド素材として例年以上にコーデュロイを使用したアイテムが展開されており、目にする機会も増えているはず。暖かな着心地が魅力で、見た目もどこかほっこりとさせるこの素材を、さてどう取り入れ、どう着こなすか。基本の基から学んでみよう。

Case 19. コーデュロイの“流れ”を知る

30代以下の世代の人にとっては、「コーデュロイがトレンド」と聞くと新鮮味を感じるかもしれない。1970年代のコーデュロイブームを経験した身からすると、あの時代のファッションは特有の大きな襟のトップスと、裾が広がったパンタロン。幼少期を過ごしたサンフランシスコの空気と風景を、コーデュロイの見た目も肌触りも柔らかな質感とともに思い出すのだ。

当時、コーデュロイは「デニムのオルタナティブ」として流行した。太畝(ふとうね)のものは空気をはらむため、主に冬向きの素材として重宝されたが、細畝のものはデニムよりも軽くてカラーバリエーションも豊富な素材としてシーズンを問わず人気を博した。肌触りが柔らかで温かいため、アウターの襟周りに使われたり、重たいツイードの代わりにカントリースーツの素材に使われたりもした。毛羽の流れによって見せる上質な光沢感があることも魅力だ。デメリットは、その毛羽立った繊細な素材感がゆえに、肘や膝などの部位が擦り切れやすいこと。カントリージャケットやシューティングジャケットのようなアウターでは、その対策としてしばしば補強用のパッチが用いられてきた。

そして今。ほっこりとさせる優しい素材感が共感を得ているのか、若い世代に起こっている古着ブームからの影響か。はたまたどことなく感じさせる休日感やアウトドアテイストが時代の空気にマッチしているのか。このコーデュロイが再びのブームとなってファッションシーンを席巻しているというのだから感慨深くも共感できる。さて、次のチャプターからは実際にどう着こなすかを見ていくとしよう。

Case 20. コーデュロイアイテムの上手な取り入れ方

コーデュロイを着こなしに取り入れるには、そのテクスチャー特性を理解する必要がある。我々が普段着として着用する、例えばデニムやカットソーといったふつうの服とは、見た目の毛羽感も光沢感も、そしてあの独特な縦畝模様も似て非なるものだからだ。

アイテムとして多いボトムスを取り入れるなら、トップスにはカットソーではなく、より風合いの豊かなニットの方が合わせやすい。細畝ならファインゲージニットを、太畝ならローゲージニットを合わせてテクスチャー感を揃えると、“わかってる感”が出せるから覚えておきたい。

シャツを合わせるなら、番手の高いさらっとしたビジネスシャツよりも、少し毛羽立ったようなネルシャツの方が相性が良い。また、細畝のジャケットにタッターソールチェック(乗馬格子とも呼ばれるチェック柄)のシャツを合わせ、ニットタイを締めればアカデミックな雰囲気を演出することもできるだろう。

イマドキな取り入れ方としては、コーデュロイのセットアップをスウェットパーカーで着崩すような、きれいめのワークスタイルもこなれた雰囲気でいいだろう。 あるいは、シューズにコーデュロイ素材を持ってくるという技アリなコーディネートもオススメだ。例えばヘビーコットンのアウターにフリース素材のレイヤーを重ねて、ボトムスにはあえてショート丈のカーゴパンツでも合わせながら、シューズには“永遠の定番”CONVERSE「ALL STAR 100」の素材アレンジモデル「SOFTCORDUROY OX」を持ってくる。シルエットやカラー、素材感に加え、コーデュロイ独特の風合いまでを生かしたスタイリングができれば、これはなかなかの“大人”ではないか。

Case 21. コーデュロイのお手入れ術

先述したように、表情豊かなコーデュロイは、その繊細さゆえにちゃんとしたお手入れが必要になる。化学繊維やデニムのように、洗いっぱなし、干しっぱなしでは、せっかくの柔らかで艶やかな風合いも長持ちしない。

大切なのは普段のお手入れ。基本中の基本としてのブラッシングである。コーデュロイの毛羽の目は、たいていの場合、下から上に流れが向いている。毛羽ゆえに埃が付きやすいので、着用後は目の方向に沿って優しくかつ丁寧にブラシをかけよう。

洋服ブラシなんて持っていない……と思ったあなた。繊細な毛羽を美しい光沢に保つための馬毛の洋服ブラシは、スーツのケアにも使えるので、この機会にぜひ買っておこう。

定番品としては、乾燥した冬場に嬉しい静電気除去加工の施されたイギリスのブランド「KENT」の洋服ブラシがオススメ。また、「無印良品」のブナ材洋服ブラシは豚毛になるが1,000円を切る低価格が魅力なので、手始めに買ってみるには良い一品だ。

洗うときのコツは、まず毛羽を痛めないように裏返しにして洗うこと。洗濯中によじれると、それが毛羽のムラにもつながるので、できれば畳んでネットに入れて洗えばなお良いだろう。

干すときにもコツがある。干す前に、つまりまだ濡れた状態でブラッシングし、毛並みを整えるのだ。水に濡れてぺたんこに倒れた繊維を、下から上にブラッシングして起こしてやることで、艶と色が蘇る。干すときは、洗濯バサミで摘むと痕が残ってしまうので要注意。ハンガーにかけて干して、乾いたらまた仕上げのブラッシングを。丁寧にかわいがってあげて、あなた自身もコーデュロイのように優しく柔らかな心を持った大人を目指そうではないか。

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