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アイコニックアイテム未来からやってきたNIKEの最先端モデル―NIKE AIR MAX 2090

TextHiroshi Sato
IllustrationAtsushi Ave
EditHayato Narahara

ブランドを代表するアイテムのルーツを紐解き、その魅力の本質に迫る連載企画。シューズ史の1ページを担ってきた数々の名プロダクトを振り返りながら、シューズの大辞典「アイコニックアイテム」を構築していこう。

今回のアイテムは、NIKE AIR MAX 90の30周年を祝う、ニュープロダクト「NIKE AIR MAX 2090」。オリジナルである「AIR MAX 90」の形に合わせながらデザインを刷新し、2090年をイメージしてデザインされた当モデルにスポットをあてる。

スニーカーファンならば見逃せないAIR MAX 90アップデートモデル

毎年3月26日は、NIKE AIR MAXシリーズの誕生を祝う「AIR MAX DAY」として世界中のスニーカーファンが盛り上がる1日。InstagramなどSNSにも多数のシューズ画像が投稿されることで知られている。

2020年AIR MAX DAYに発売されたAIR MAX 2090

2020年AIR MAX DAYに発売されたAIR MAX 2090

そして、2020年のAIR MAX DAYに発売されたニュープロダクトこそが今回の「AIR MAX 2090」である。モデル名にある”2090”は、1990年に発売されたAIR MAX 90の100年後におけるリデザインを想像しよう、という遊び心のあるストーリーを意味する。そのコンセプトを解き明かすべく、まずは元ネタであるAIR MAX 90について振り返ろう。

AIR MAX 2090のルーツであるAIR MAX 90

2020 年発売のAIR MAX 90復刻モデル

2020年発売のAIR MAX 90復刻モデル

AIR MAXシリーズの3代目として誕生したNIKE AIR MAX 90。これまで多くの復刻モデルが発売され、スニーカーファンにとっても馴染み深いプロダクトのひとつだ。その名が示す通りオリジナルモデルは1990年に発売されている。デザインを手掛けたのは、初代AIR MAXのみならずAIR JORDANシリーズのデザインも担当したティンカー・ハットフィールド。日本のスニーカーファンにも知名度の高いデザイナーのひとりだろう。

先代モデルのAIR MAX LIGHTに比べヒール部分のエアユニットが大型化され、シューレースを通すアイレットやヒール部分のパーツにはTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材が採用されている。なかでもハート型のようなヒールパーツは、AIR MAX 90のアイコンとしてスニーカーファンに広く知られるディテールだ。いずれも当時最高のランニングシューズを目指すために採用されたテクノロジーで、安定性の向上だけでなく、AIR MAX 90らしさを際立たせるアイコンとして映える仕上がりとなっている。

TPU素材のパーツには、当時のロゴが使われている

TPU素材のパーツには、当時のロゴが使われている

また、2020年はデザイン誕生30周年にあたる。そのアニバーサリーとして、サイドパネルを斜めに横切るステッチや、スポーツカーをフィーチャーした低く直線的なサイドビュー、スウッシュの形状など、1990年当時のディテールを忠実に再現した復刻モデルが発売されている。
30年もの長い間、たびたび復刻され愛され続けるAIR MAX 90。その定番としての魅力があるからこそ、「未来をデザインする」というストーリーがより一層ワクワクするだろう。

ストリートシーンでの履き心地に特化したハイテクスニーカー

時を超えて誕生したAIR MAX 2090。どのようなかたちでAIR MAX 90のDNAが受け継がれ、進化しているのだろうか。2090年の世界をイメージしてデザインされたスニーカー・AIR MAX 2090は、未来の街を走る電気自動車からインスピレーションを得ており、前後に配したブルーとレッドのポイントカラーは未来の交通機関のライトをイメージしている。ヒール部分のエア ユニットが見えるウィンドウも、オリジナルと比べ2倍の大きさとなった。様々なディテールがテクノロジーの進化を感じさせてくれるが、その形状やソールユニットの切り返しには、AIR MAX 90の特徴が色濃く反映されている。とりわけハート型ヒールパーツの継承は、この近未来的なデザインがAIR MAX 90の延長線上にあることを示すポイントだろう。

電気自動車からインスピレーションを得たデザイン

電気自動車からインスピレーションを得たデザイン

デザインに惹かれてAIR MAX 2090を手に入れたユーザーは、その履き心地の進化にも驚くだろう。オリジナルのAIR MAX 90がNIKEを代表するパフォーマンスランニングシューズとして開発されたのに対し、AIR MAX 2090はライフスタイルスニーカーとして最適になるチューニングが施されている。薄く軽量なパーツを使用したアッパーはフィット性と快適性を両立し、ヒール部分のエアユニットは踵から着地した際の衝撃を吸収。さらに最新のランニングシューズにも使われているクシュロンフォームを搭載し、アスファルトやコンクリートの路面でも快適な履き心地を演出してくれる。

AIR MAX 90のワッフルアウトソールに独自の溝を採用し、柔軟性アップ

AIR MAX 90のワッフルアウトソールに独自の溝を採用し、柔軟性アップ

アスリートのためにチューニングされたパフォーマンスシューズが持つ機能美は確かに素晴らしく、それがAIR MAX 90の支持を集めてきた要因にもなっている。ただ、トップアスリートが求める性能と、ストリートでの快適性は決して同一ではないのも事実。AIR MAX 2090は、ストリートにおける最高の履き心地を得るために、NIKEの有する最新テクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれたハイテクスニーカーだ。

AIR MAX 90のDNAを受け継ぐ近未来デザイン、そして歩くのが楽しくなる履き心地のAIR MAX 2090。2020年を代表するトレンドスニーカーのひとつとして、幅広い世代から注目を集めている。

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