肌に触れる部分の99.9%が和紙、シリコンなどの添加剤を不使用など、サステナブルな発想で服づくりに挑むUNDERSON UNDERSON。シンプルで深みのあるカラーと洗練されたシルエットで人気を博したボクサーパンツなど、肌着とルームウェア中心に発表した2019年秋のデビューから1年が経ち、展開するアイテムのバリエーションも広がった。ブランドとしてのアイデンティティも確立されてきているいま、見える景色はどのように変化しているのだろうか。UNDERSON UNDERSONを手がけるチーフデザイナーの中西孝史さんと、同ブランドのプレスを務める牧野霞さんに尋ねた。

― UNDERSON UNDERSONの服には和紙糸が使われているそうですが、どういった経緯でこの素材に辿り着いたのでしょうか?

牧野: 弊社は女性向けだけで10を超えるブランドが存在しているのですが、そのなかにあるヨガウェアブランドに「WASHIFABRIC®(ワシファブリック)」という新素材の和紙布を提案いただいたことがきっかけでした。これは、和紙繊維の研究開発をするITOI生活文化研究所が16年の歳月をかけて生み出したもので、消臭、吸水・速乾、抗菌・防臭などさまざまな機能を備えています。とくに吸水・速乾のスピードは優れていて、普通の綿以上に早く水を吸収して乾きます。しかも環境にも優しい。この優れた新素材を複数ある素材の1つとして使うのはもったいないという話になり、新たに立ち上がったのがUNDERSON UNDERSONでした。

UNDERSON UNDERSONのアパレルに使われている、和紙を原材料とした生地、WASHIFABRIC®のための和紙糸

幅広い世代が履くことができるショートボクサーパンツ。肌に直接触れる部分の99.9%に和紙布を使用しているので、蒸れることなく心地よい履き心地が続く。カラーバリエーションは全7色
レギュラーショートボクサー/¥3,960

肌に触れる部分の99.9%に和紙を使用したブラ。身体にやさしくフィットする形状で、ヨガなどの軽い運動用にも使うことができる。
レギュラーハーフトップ/¥3,960

― まず素材ありきで話が始まったんですね。デザインするうえで意識していることはありますか?

中西: 天然素材の繊維である和紙の良さを引き立たせるために、余計な加工をしないように心がけています。引き算のデザインと言いますか。とはいえ、それは何もしないということではなくて。例えばTシャツにしても、メンズとウィメンズでサイズが異なるだけでなく、メンズは男性らしく、ウィメンズは女性らしく映るように着丈や袖丈の長さなどを微妙に変えています。

― ユニセックスアイテムで見られるサイズ違いだけの展開ではないということですね。

ロゴTシャツ
左/ウィメンズ ¥9,020
右/メンズ ¥9,350

左/ウィメンズ
インレイクルースウェット¥13,420
インレイスウェットショートパンツ¥8,580
右/メンズ
オールダブルロングスリーブTシャツ¥14,300
インレイワイドショートパンツ¥13,20

牧野: コストのことだけを考えたら、メンズとウィメンズでデザインを変えるのは得策ではないんです。それでも着心地だったり、着たときの見え方を中西はとても綿密にデザインしていて。縫い糸に関しても、通常であれば布地で使っている糸とは異なる、強度の高い糸が使用されるのですが、UNDERSON UNDERSONでは和紙糸を使用しているプレミアムラインのTシャツもあるんですよ。

中西: 肌が敏感な方だと、折り返しが肌に擦れてかゆくなってしまうことがあるのですが、それを少しでも軽減するため。あと、シャツも表地はレーヨンだけど裏地は和紙にして、さらにボタン部分の折返しまで和紙素材になっていたりと、すごく手間のかかる仕様になっています。だから、工場の担当者にはすごく嫌がられていますけどね(笑)。

牧野: シーズンを重ねる中でブラッシュアップもしているので、1年前と今では縫製や仕様が大きく違うものもあります。

― 立ち上げから一年が経ち、そろそろブランドのアイデンティティが固まってきた感覚なのでしょうか?

中西: そうですね。ちょうどいろんなことが1周した気がします。実店舗に来てくださるお客様の男女比も、当初は6:4くらいで男性が多かったのですが、現在は3:7くらいになって逆転したんです。その代わり男性は根強く買い求めてくださる方が多いです。そういった情報を参考にして、次のシーズンのラインナップを考えたりしています。

ウォームサテンシャツ
左/ウィメンズ ¥16,280
右/メンズ ¥17,600

ブランド初のコートはユニセックス仕様。Aラインのゆったりシルエットが特徴
タイプライターキルティングコート/¥49,500

― 男女で同じ素材感やカラーの服が着られるのがいいですよね。生活をともにしている人で波長を合わせられるというか。

牧野: ファッションブランドがサステナブルな作り方をしているということは、あくまでも前提にすぎないですよね。その上でどんなものを生み出すかが問われていると思います。UNDERSON UNDERSONは丁寧な暮らしをしたいと思っている方々にとって、特別な日常ではなくて、普段の日常をワンランクアップさせてくれるブランドでありたいという思いがあるんです。それもあってタオルやテーブルウェア、さらには食器や洗剤などの家具や日用品も展開しています。

肌にやさしい和紙100%の素材を使用したマスク。通気性が高いので呼吸がしやすい
UNDERSON UNDERSONオリジナル和紙マスク/¥1,980

ニュージーランドのホームケアブランド、エコストアと開発した無香料のハンドウォッシュ
ハンドウォッシュ無香料/¥693

洗って繰り返し使えるサステナブルな竹製ストロー
バンブーストロー 8P/¥858

中西: プロダクトをしっかりとライフスタイルに結びつけていきたいなと考えています。家庭を支えるブランドというか。僕自身、若いころにストリートやモードのブランドでデザイナーをやっていたことがあるのですが、常に流行を追いかけることに疲れてしまって、現場から離れていた時期もあるんですよ。でも、UNDERSON UNDERSONではそういう価値観とは違った方向でファッションと向き合うことができるので、自分としてもいろいろ試していきたいと考えています。

― 今後の展開について考えていることはあるのでしょうか?

中西: 好評をいただいているとはいえ、一般的な認知度はまだまだなので、UNDERSON UNDERSONがどういうブランドなのかをしっかりと周知していきたいと考えています。そのうえで和紙を使った服の魅力を多くの人に知ってもらえればなと。あと、和紙以外の可能性も試してみたいと考えています。オーガニックコットンや麻なんかを使った展開も面白そうですし、縫製技術の面でも新しいことに挑戦していきたいです。

牧野: これまでは量産体制が整っていなくて、販路も直営2店舗とECサイトのみだったんですね。WASHIFABRIC®を縫製するためには工場に専用の機械をセッティングする必要があるのですが、そこに一年近い時間がかかるんです。稼働させる機械を増やすのも容易ではありません。そのために魅力的なオファーも泣く泣く断っていました。でも、ようやく機械を増やして和紙糸の生産量も伸ばせそうなので、2021年の秋冬からはもっと多くの人の手に商品が渡るようになると思います。

中西: 最終的にはBtoBでも活用してもらいたいんです。天然素材でここまでの機能性を備えている生地はなかなかないので。医療や宇宙の領域でWASHIFABRIC®の名前を見られる日が来るといいと思っています。そのために、引き続き地道にやっていきたいと思います。

Shop Information

UNDERSON UNDERSON ニュウマン新宿

東京都新宿区新宿4-1-6 ニュウマン新宿4階

UNDERSON UNDERSON ニュウマン横浜

神奈川県横浜市西区南幸1丁目1-1 ニュウマン横浜4階

https://undersonunderson.com/

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