ブランドを代表するアイテムのルーツを紐解き、その魅力の本質に迫る連載企画。シューズ史の1ページを担ってきた数々の名プロダクトを振り返りながら、シューズの大辞典「アイコニックアイテム」を構築していこう。今回のアイテムは「JAZZ」と共にSauconyを代表するスニーカーとして愛され続ける「SHADOW」をピックアップ。これまで世界中のスニーカーブティックとのコラボレーションモデルを展開した「SHADOW 6000」は2021年にデザイン誕生30周年を迎え、大幅にアップデートされた注目アイテムだ。今回は復刻モデルでも進化の歩みを止めない、Sauconyを象徴するSHADOWの魅力を再確認していこう。

「これは最高のシューズ」というフレーズが掲げられたSauconyの名作

Sauconyのアイコニックモデル「JAZZ」と並ぶ定番といえば、多くのスニーカーファンが「SHADOW」を思い出すだろう。世界中のランナーを魅了したJAZZの栄光を継承し、1985年にお披露目されたSHADOW(現在の「SHADOW ORIGINAL」)は、“1st is first. Second is nowhere(これは最高のシューズ。2番目はどこにもない)”というフレーズを掲げ、クッショニングだけでなく安定性と耐久性を盛り込んだ、当時としては理想的なハイパフォーマンストレーニングシューズとしてデザインされた名作だ。

SHADOWの特徴である安定性は1980年代のランナーから特に好評だったと伝えられており、当時のニーズに応えるためヒールカップを搭載し、更なる安定性向上を果たしたアップデートモデル「SHADOW 5000」をリリース。その後も細かいアップデートを繰り返しながら、1991年にはソールにEVA素材を搭載して衝撃吸収と履き心地を改良した「SHADOW 6000」を完成させた。ファーストモデルから6年を経て登場したSHADOW 6000のルックスはボリューム感に溢れるもので、1990年代前半らしいハイテクランニングシューズ的ディテールに仕立てられている。時代のニーズを的確に読み取り、プロダクトにフィードバックし続ける姿勢はランナーから支持を集め、現代のプロダクトにも受け継がれる“ランニングシューズのSaucony”というブランドイメージを加速させたのだ。

1985年リリース当時のSHADOWポスター

世界中のスニーカーブティックが注目するSHADOW

このSHADOWが持つクッショニングや安定性はタウンユースのスニーカーとしても優れており、令和時代の店頭には3種の復刻SHADOWが並んでいる。1985年に登場したファーストモデルにフィーチャーした「SHADOW ORIGINAL」は、レトロランニングらしいルックスがヨーロッパで高く評価され、そのムーブメントに影響される形で国内での知名度も向上。現在では流通量も多く、最も身近なSHADOWといえる。それに対してSHADOW 5000やSHADOW 6000の復刻モデルは、北米のスニーカーブティックを中心に展開された別注モデルがスニーカーファンの琴線に触れ、インラインモデル(通常販売モデル)の人気が高まった歴史がある。

2016年、ボストンのスニーカーショップBodegaのオープン10周年を記念してコラボレーションした「Elite SHADOW 5000」

ORIGINALが“いつものSHADOW”だとしたら、コチラは“特別なSHADOW”といった印象を持つファンも少なくないだろう。別注モデルの例を挙げると、ボストンのスニーカーショップBodegaやマンハッタンの老舗セレクトショップExtra Butterなどが提案するコラボレーションモデルは、一般的なランニングシューズには少ない大胆なカラーやグラフィックを積極的に採用。北米だけでなく日本のスニーカーファンからも高く評価された逸品だ。

さらに個性的な別注モデルがたびたび注目されるバルセロナ発のスニーカーブティック24 KILATESや、ロシアのセレクトショップBABOCHKAが手掛けたSHADOW 6000は、北米のスニーカーブティックとは異なるトーンのカラーパネルを取り込み、SHADOWファミリーの新たな一面を見せてくれた。その他にもドイツのAfewや日本のBILLY’Sも、SHADOWをベースにしたコラボモデルを展開している。ファンに馴染み深い多くのスニーカーブティックがコラボモデルのベースにセレクトする事実は、SHADOWのポテンシャルの高さを裏付けている。

海と山をイメージし、24 KILATESとコラボレーションした「SHADOW ORIGINAL Mar y Montana」

2021年、デザイン誕生30周年を迎えたSHADOW 6000に注目

多様なバリエーションを揃えて幅広い好みに対応するSHADOWファミリーの中で、2021年に注目したいのがデザイン誕生30周年を迎えたSHADOW 6000だ。奇しくも2021年はもうひとつのアイコニックモデルJAZZの40周年であり、JAZZのオリジナルカラーをインスパイアしたカラーがラインナップ。安定した人気を誇る1980年代のレトロランニングデザインを好むファンにとっては見逃せないアニバーサリーモデルとなるだろう。

デザイン誕生30周年を記念したモデルは、JAZZのオリジナルカラーからインスパイア

この他にもさまざまなカラーバリエーションやコンセプトアイテムのラインナップが予定されている。単なるカラーバリエーションの追加ではなく、アッパーに使用されるスエード素材をアップデートするとともに、Sauconyの最新ランニングシューズに搭載されるクッショニング素材PWRRUNを搭載。より質感を高め、クッショニングや反発力を大幅にレベルアップさせている。多くのファンが体感している通り、真摯に開発されたランニングシューズでありながら、タウンユースとしても履き心地に優れたモデルだ。デザイン誕生30周年で更なる進化を遂げたSHADOW 6000は、元々のファンはもちろんのこと、これまで“特別なSHADOW”に触れる機会がなかった人にもおすすめしたいアイコニックモデルである。

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