ブランドを代表するアイテムのルーツを紐解き、その魅力の本質に迫る連載企画。シューズ史の1ページを担ってきた数々の名プロダクトを振り返りながら、シューズの大辞典「アイコニックアイテム」を構築していこう。今回のアイテムは2000年前後のスニーカーブームを経験した世代にはお馴染みのgravisが提案する「ODJICK」。コインローファーのようなルックスに「これがgravis?」と驚くファンもいるかもしれないが、スニーカーの新カテゴリーとして提案する“CASUAL HYBRID”は多くのファッショニスタを刺激して、SNSでもクチコミで広がりつつある。今回はgravisが“CASUAL HYBRID”を生み出すまでのリブランディングの歴史を振り返り、新時代のgravisを象徴するODJICKのディテールにフォーカスする。

2000年前後に大ヒット、アフタースノーボード系スニーカー

社会現象と評された1996年前後のハイテクスニーカーブームが終焉した2000年前後のムーブメントでは、NIKE一強の勢力図からさまざまなスニーカーブランドが注目を集める時代となった。なかでもgravisはひと際ストリートで輝きを放っていたプロダクトだ。当時新たなカルチャースポーツとして人気を博したスノーボードをバックボーンに、1998年にスタートしたgravisは“アフタースノーボードを楽しむスニーカー”というデザインコンセプトで、スケートやサーフなどのエクストリームスポーツだけでなく、ミュージックシーンとのクロスカルチャーを展開して幅広いオーディエンスを獲得していった。

コインローファーのディテールに、ランニングシューズのような機能性を加えたgravis「ODJICK」

なかでも「KONA」や「TARMAC」、そして藤原ヒロシ氏が着用して注目された「RIVAL」はgravisを象徴するプロダクトであり、ボリューム感のあるアッパーにフラットな形状のソールを組み合わせ、シューレースやシュータン周りのディテールには脱着のしやすさを考慮している。コンセプトである“アフタースノーボードを楽しむスニーカー”にふさわしい、抜群のリラックス感を提供するスニーカーとして当時のファッショニスタを虜にしたのである。2020年にはKONAをベースに、東京を拠点に活動するデザイナーpublicdeviceが手掛けたグラフィックを落とし込んだコラボレーションモデル「KONA JP CAMO」が発売され、当時の熱狂を体感したスニーカーファンを喜ばせたのも記憶に新しい。

ファン層のライフスタイルに合わせたリブランディング

2000年前後のスニーカー史に大きな足跡を刻んだgravisは、その地位に満足せず、常にリブランディングに取り組んできた。最初の大きな変革となったのは2007年。本拠地をバーモント州のバーリントンからカリフォルニア州のアーバインへと移転。当時のスニーカーマーケットで大きなシェアを抱えていたスケートシューズの開発をよりサポートするために、スケートボードカルチャーのメッカである西海岸へ大移動する決断を下したのだ。その後、拠点を日本へ移しTOKYOカルチャーを中心に取り入れながら、gravisの新たなステージへと歩みを進めている。

軽量で防菌、クッショニング、耐久性も兼ね備えたインソール技術C9を搭載するODJICKは、スニーカーと革靴のハイブリッドといえる

いまはアーカイブモデルに敬意を表しながら、現代的でリアルな“大人のストリートファッション”を提案するメーカーへとリブランディングに取り組んでいる。現代のgravisが取り組むテーマのひとつが、レザーカジュアルシューズとスニーカーの融合から導き出す“CASUAL HYBRID”と称する新カテゴリーの開発だ。オーセンティックなレザーシューズに、C9をはじめとするgravisの技術を用いてアレンジしたCASUAL HYBRIDシリーズは、今のスニーカーブームに疲弊したファッショニスタにマインドチェンジを促すプロダクトなのである。

“CASUAL HYBRID”という新ジャンルがファッショニスタの感性を刺激した

“CASUAL HYBRID”の象徴的なプロダクトといえば、2019年SSシーズンにローンチされた「ODJICK」だ。学生から大人まで幅広い世代に愛用され、その使いやすさから“レザーカジュアルシューズ”とも呼ばれるローファーを、gravisの持つ技術やツーリングで再構築した一足。オーセンティックなコインローファーデザインのアッパーに、gravisが誇るスニーカーテクノロジーを活かしたソールユニットを組み合わせている。

ODJICKは、大人の雰囲気を醸し出すキレイめファッションとの相性はもちろん、ストリートファッションにアクセントを加えるシューズとしても活躍する

インソールにはクッション性と安定感、耐久性に優れる“C9 インソール”をセレクト。スポーツシューズとは一線を画すスタイリッシュなルックスを持ちながら、スニーカーと変わらない快適な履き心地が楽しめる新しいシューズとして、ファッショニスタのSNSを中心にクチコミで拡散されているアイテムだ。gravisの新定番というべきスタイルは、実際に公式Webサイト上の「2021SS LOOK BOOK」でもストリートで人気の高いワイドパンツにODJICKを合わせたスタイルサンプルが掲載されている。さらに2021年のニューアイテムとして、ビブラムソールを搭載した「ODJICK RCN」がラインナップ予定。コンフォートなデザインに機能性をプラスしたニューモデルは、シーズンごとに自分らしいスタイルを追求するファッショニスタの感性を刺激するだろう。カジュアルでありながら品のよいスタイルを楽しめるODJICKに今後も目がはなせない。

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